...後年幕府追討のはかりごとにやぶれさせ給い隠岐(おき)のしまに十九年のうきとしつきをお送りなされて波のおと風のひびきにありし日のえいがをしのんでいらしった時代にももっともしげく御胸の中を往来(ゆきき)したものはこの附近の山容水色とここの御殿でおすごしになった花やかな御遊(ぎょゆう)のかずかずではなかったであろうか...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...町はずれへ行けば行くほど雨のようにしげく喧(かまびす)しくなって行った...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
......
アルフレッド・テニソン 坪内逍遙訳 「シャロットの妖姫」
...――――――――かたへにたてる若人の汀につなぐ舟一葉浮世の波に漕ぎいづる名殘は盡きず今更に分ちかねたる袖の上涙も露もしげくして...
土井晩翠 「天地有情」
...虫の声はますますしげく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それからは『回想の寺田寅彦』にある間崎氏や竹崎氏への訪問がますますしげくなる...
中谷宇吉郎 「『団栗』のことなど」
......
萩原朔太郎 「ものごころ」
...かえって楽しみを増大させてくれるあの一時期! まだセーヌ左岸に足しげく通うこともなく...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...雨は益々しげく、風に飛ぶ潮(うしほ)のしぶきと共に吹きつける...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...洪積の台のはてなる一ひらの赤き粘土地桐の群白くひかれど枝しげくたけ低ければ鍛冶町の米屋五助は今日も来て灰を与へぬ...
宮沢賢治 「〔洪積の台のはてなる〕」
...しらべしげくなりまさるにつれて...
森鴎外 「文づかい」
...足しげく通っておるのか?」「はい...
吉川英治 「私本太平記」
...上卿たちとの往来もしげくなること...
吉川英治 「私本太平記」
...鶯(うぐいす)の音がしげく聞える...
吉川英治 「新書太閤記」
...と涙の音がしげく聞えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...あたりの虫の音がまたしげく聞かれる程...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...渋谷庄司重国(しぶやのしょうじしげくに)といい...
吉川英治 「源頼朝」
...冬は洞窟内の海中都市と足しげく行き来し...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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