...晝はいと人しげく...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...町はずれへ行けば行くほど雨のようにしげく喧(かまびす)しくなって行った...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...「彼地風雨しげく...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...官命によって出張した樹下茂国(きのしたしげくに)の口供書である...
蜷川新 「天皇」
...光り蟲しげく跳びかへる夜の海の青き面をや眺むらむあてなき瞳遠く放たれ息らひたまふ君が側へに寄りそへるに浪はやさしくさしきたりまたひき去る浪遠き渚に海月のひもはうちふるへ月しらみわたる夜なれや言葉なくふたりさしより涙ぐましき露臺の椅子にうち向ふこのにほふ潮風にしばなく鴎鱗光の青きに水流れ散りてやまずせかれぬ戀魚の身ともなりぬれば今こそわが手ひらかれ手はかたくあふるるものを押へたり...
萩原朔太郎 「歡魚夜曲」
...梅若は十六日があはれなりよしや涙雨しげくふるとも...
正岡容 「下町歳事記」
...雨は益々しげく、風に飛ぶ潮(うしほ)のしぶきと共に吹きつける...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...こおろぎの声のしげくなるまで...
水上滝太郎 「果樹」
...穂にいでぬ物思ふらししのすすき招く袂(たもと)の露しげくして柔らかになったお小袖(こそで)の上に直衣(のうし)だけをお被(き)になり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これこそもとよりしげく参らるべし...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...余と少女との交わりようやくしげくなりもて行きて...
森鴎外 「舞姫」
...大谷地は深き谷にて白樺(しらかんば)の林しげく...
柳田国男 「遠野物語」
...路上の車馬しげく人の往来眼ざましきばかりなり...
柳田国男 「遠野物語」
...暇を出されるほど足しげく...
山本周五郎 「さぶ」
...川面には兵舟の往来がしげく...
吉川英治 「私本太平記」
...あの売女(ばいた)にゃ、ありそうなこった」「そればかりじゃない、足しげく、金の催促にくる七兵衛さんとも、どうやら、このごろは、変な話しぶりがあるで、耳うるそうてならなんだ」「人間じゃねえな...
吉川英治 「野槌の百」
...清麿が家を持つと、彼女は、叔父の家から、足しげく、北伊賀町へ姿を見せた...
吉川英治 「山浦清麿」
...冬は洞窟内の海中都市と足しげく行き来し...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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