...よい昼でありよい夜であつた(それでも夢を見ることは忘れなかつた!)枯草山に夕日がいつぱいしぐるゝや人のなさけに涙ぐむ山家の客となり落葉ちりこむずんぶり浸る一日のをはり・夕しぐれいつまでも牛が鳴いて夜半の雨がトタン屋根をたゝいていつた・しぐるゝや旅の支那さんいつしよに寝てゐる・支那の子供の軽業も夕寒い・夜も働らく支那の子供よしぐれるなひとりあたゝまつてひとりねる十一月十二日晴...
種田山頭火 「行乞記」
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種田山頭火 「行乞記」
...どこかで三味を弾いてる水兵さんがならんでくる葉ぼたん畑今年のお正月もお隣りのラヂオひそかに蓄音機かけてしぐれるけふも返事が来ないしぐれもやう・ひとり住んで捨てる物なし二階ずまゐのやすけさのお粥が出来たお正月もすんで葉ぼたんの雨となつてさん/″\降りつめられてひとりぬかるみふみゆくゆくところがない・重いもの負うて夜道を戻つて来た・戻れば水仙咲ききつてゐる今夜は途上でうれしい事があつた...
種田山頭火 「行乞記」
...幡夫屋(二五・中)折々しぐれるけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...今夜もしぐれるらしい...
種田山頭火 「其中日記」
...・しぐれ空のしらみつつしぐれだした・しぐれては百舌鳥のなくことよ・朝からしぐれて柿の葉のうつくしさはしぐれてきた裏藪に戸をしめるしぐれる落葉はそのまゝでよし・もぎのこされて柿の三つ四つしぐれてゐるもうはれてしぐれの露が干竿に虫があはたゞしくとぶ...
種田山頭火 「其中日記」
...十一月廿五日けふもしぐれる...
種田山頭火 「其中日記」
...・しぐれる夜の歪んだ障子・茶の花のちるばかりちらしてをく十二月十二日雨となつてあたゝかくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...けふもよくしぐれる...
種田山頭火 「其中日記」
...今日此頃はほんとうにようしぐれる...
種田山頭火 「其中日記」
...質入して・けふから時計を持たないゆふべがしぐれる・ちよつとポストまで落ちる葉や落ちた葉や父子対面―飯塚に健を訪ねて―・このみちまつすぐな...
種田山頭火 「其中日記」
...をり/\しぐれる...
種田山頭火 「其中日記」
...・しと/\しぐれる笹のさら/\宿直室にて・電燈一つが長い廊下が冬・年わすれの酒盃へ蝿もきてとまる・ことしもをはりの宿直室でラヂオドラマが泣きだした・年のをはりの風が出て木の葉ふきおとした・きずがそのままあかぎれとなり冬籠る・豆腐屋の笛が...
種田山頭火 「其中日記」
...夜に入つてしぐれる音か...
種田山頭火 「其中日記」
...をり/\しぐれる...
種田山頭火 「其中日記」
...しぐれだしたがしぐれるままに行乞しつづけた(薯...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...木曽河原の大石小石しろ/″\としぐれる...
種田山頭火 「旅日記」
...落葉しぐれる山の際に戌亥(いぬゐ)の方に白壁の土藏を置いたる農家の冬待ち顏に靜かに立つを見る...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
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