...しかのみならず科学的研究法の必然的な条件として...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...ふたたび、とは、唐突にしていかにも虚飾の言の如く思召(おぼしめ)し、れいの御賢明の苦笑など漏し給わんと察せられ候も、何をか隠し申すべき、われ幼少の頃より茶道を好み、実父孫左衛門殿より手ほどきを受け、この道を伝授せらるる事数年に及び申候えども、悲しい哉(かな)、わが性鈍にしてその真趣を究(きわむ)る能(あた)わず、しかのみならず、わが一挙手一投足はなはだ粗野にして見苦しく、われも実父も共に呆(あき)れ、孫左衛門殿逝去(せいきょ)の後は、われその道を好むと雖(いえど)も指南を乞うべき方便を知らず、なおまた身辺に世俗の雑用ようやく繁く、心ならずも次第にこの道より遠ざかり、父祖伝来の茶道具をも、ぽつりぽつりと売払い、いまは全く茶道と絶縁の浅ましき境涯と相成申候ところ、近来すこしく深き所感も有之候まま、まことに数十年振りにて、ひそかに茶道の独習を試み、いささかこの道の妙訣(みょうけつ)を感得仕(つかまつ)り申候ものの如き実情に御座候...
太宰治 「不審庵」
...しかのみならずこの佐久間を始め戦死者の遺骸は長州で埋めた上に...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...しかのみならず、城下に居る士族や解放された卒なども、改革に遭って門閥家禄を失い、あるいは平民に落されたという怨恨もあるから、何か事あれがしと思う矢先にこの一揆が起ったのだから、いよいよそれが城下に繰り込む時は、共に力を協せて藩庁を攻めて、大少参事を殺戮してしまおうという考えの者も尠くなかった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...しかのみならず、このような陽球は、あらかじめ自然がプラウトの假説に近いように製作して置かねば、化學原子の排列は不可能でなければならぬ...
長岡半太郎 「原子核探求の思い出」
...しかのみならず、今利他本位でやつてるかと思ふと、何時(いつ)の間(ま)にか利己本位に変つてゐる...
夏目漱石 「それから」
...しかのみならず、今利他本位でやってるかと思うと、何時(いつ)の間にか利己本位に変っている...
夏目漱石 「それから」
...加之(しかのみならず)時日の進行中において自然に消滅する悪口と思えば...
新渡戸稲造 「自警録」
...加之(しかのみならず)斯ク其施行ヲ禁ジ...
福沢諭吉訳 「アメリカ独立宣言」
...しかのみならず、貧富・強弱の有様は天然の約束にあらず、人の勉と不勉とによりて移り変わるべきものにて、今日の愚人も明日は智者となるべく、昔年の富強も今世の貧弱となるべし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...しかのみならず、大根の文字は俗なるゆえ、これに代るに蘿蔔(らふく)の字を用いんという者あり...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...しかのみならず……此処が肝賢要(かなめ)……他の課長の遺行を数(かぞえ)て暗に盛徳を称揚する事も折節はあるので...
二葉亭四迷 「浮雲」
...しかのみならず、時の司法大臣および内務大臣は、自ら大津に出張し、裁判官に面会して親しく説諭を加えんとした...
穂積陳重 「法窓夜話」
...しかのみならず、さきに発掘せられた数個の石片は、実にこの石壁の破片であって、トノンの発見した石片の文は、その法律の第五十八条乃至第六十条であり、アウッスーリエーの発見した二片は、第三十九条と第四十八条であるということが分ることとなった...
穂積陳重 「法窓夜話」
...しかのみならず虚弱にして物学(ものまなび)も出来なかつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかのみならず数代以前に別れて来た郷里の本家とは...
柳田國男 「名字の話」
...加之(しかのみならず)常着(ふだんぎ)から総(すべ)てを新調して世帯道具を揃えることは中々容易じゃないよ...
山下利三郎 「誘拐者」
...しかのみならず、穀物は、完全に耕作されている国よりも、未耕地の多い地方において、より高価であるとは、されていない...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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