...しかしおのづからその間に新しい観念や新らしい美の姿を現したことも事実だつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...枝葉(しよう)汐風(しおかぜ)に吹きたわめて...
太宰治 「惜別」
...ひとしお愛情がこまやかになるのを感じた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...さっきからあからめし顔はひとしお紅(あこ)うなりて浪子は下向きぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...当路に立てば処士横議(しょしおうぎ)はたしかに厄介なものであろう...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...火はしばしおおわれてくすぶっていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そんな風なのでひとしお寂しがって私がゆくと「寂しいからそばへよって手をもってちょうだい」ということがよくある...
中勘助 「妹の死」
...少しおさすり致しましよと取つく憐れさ...
樋口一葉 「花ごもり」
...そのうちにとばかりぬかしおるが...
久生十蘭 「玉取物語」
...笹むらのなかに何かしおらしい姿で...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...額田王歌秋の野のみ草刈り葺きやどれりし宇治の宮子の假庵しおもほゆ「みやこ」といふ事に就きて兼ねて論あり...
正岡子規 「萬葉集を讀む」
...「ねえお前、もしお前が、商人の仕事には、なんにも才能なんぞいらないだろうと思っているなら、そういう考えかたは間違っているよ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...無理をしないようと繰返しおっしゃった由...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...親爺共は自分達の知った事、知っていて信じていない事を、古臭い破本(やぶれぼん)の中から言って聞かせて、騙しおって、自分達の性命をも己の性命をも奪いおった...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...姿を晦(くら)ましおったな...
吉川英治 「下頭橋由来」
...少しあとへさがったのをしおとして...
吉川英治 「神州天馬侠」
...於通が茶をおいたのをしおに...
吉川英治 「新書太閤記」
...鎧櫃(よろいびつ)に入れて運び出された死笑靨(しにえくぼ)を泛(う)かべていた美人――ここの女主人のお雪様の血しおと見ていい...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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