...葉子は鋸屑(おがくず)を塗りこめてざらざらと手ざわりのいやな壁をなでて進みながらようやく事務室の戸の前に来て...
有島武郎 「或る女」
...ミツギのざらざらした幹に...
梅崎春生 「幻化」
...ざらざら使い崩すたちなので...
太宰治 「みみずく通信」
...やがてその底をざらざらと小石に当てながら流れに浮んだ...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...ざらざらと云う音をさしながら胴体を右の方へ脱いで往った...
田中貢太郎 「山寺の怪」
...ざらざらするような下宿の部屋に落ち着いていられなかった笹村は...
徳田秋声 「黴」
...肱や膝はざらざらです...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...頭も、顔も熱くなって、舌が、ざらざらして、動かなくなるのではないかと思えた...
直木三十五 「南国太平記」
...そうしてそのざらざらした顎の触(さわ)る着物の襟(えり)が薄黒く垢附(あかづ)いて見えた...
夏目漱石 「永日小品」
...ざらざらした腮(あご)を...
夏目漱石 「門」
...廊下の坂の上にたまった埃とも砂とも云えない細かなざらざらしたものの上を...
室生犀星 「三階の家」
...もし我々が音・香り・光・味わい・大きさ・重さ・柔らかさ・硬さ・ざらざら・色・つや・幅・深さ・があることを知らないならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...撫でてみると口のまわりや顎(あご)がもうざらざらしていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ざらざらと痛んだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...どれほど軽部の奴がさきから暴れたのかと思ってあたりを見廻すと一番ひどく暴(あら)されているのは私の顔でカルシウムがざらざらしたまま唇から耳へまで這入っているのに気がついた...
横光利一 「機械」
...またあのざらざらした鮫肌(さめはだ)や...
横光利一 「上海」
...盤の下へこぼれたのを拾ってざらざらと惜気(おしげ)もなく仕舞いこんでしまう...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...土や小石がざらざらと崩れてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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