...この人は投身を企つる者ではござらぬ」巡査の証言にかの人も車夫も手持不沙汰なれば予は厚くその注意を謝し...
饗庭篁村 「良夜」
...そのロテイを失つたことは我我日本人の身になるとまんざら人ごとのやうに思はれない...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...あたかも今の歌舞伎役者が万更(まんざら)時代の推移を知らないでもないが...
内田魯庵 「四十年前」
...女は陶器皿(せとざら)と一緒で...
薄田泣菫 「茶話」
...やがてその底をざらざらと小石に当てながら流れに浮んだ...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...それで実験技術としては満更(まんざら)縁のない話でもないので...
中谷宇吉郎 「原子爆弾雑話」
...「精神一到何事か成らざらん」と云ふ事を彼は小さい時から聞かされもし...
長與善郎 「青銅の基督」
...魯西亜(ロシア)と日本は争わんとしては争わざらんとしつつある...
夏目漱石 「倫敦消息」
...まんざら気に入らぬこともなかったからで...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...私は私の胸のうちを洗いざらい晒してしまうのが怖かったの...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...この世界ではざらに犯されて来たのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...然し、まんざら、酒飲み必ずしも、甘いものが嫌いとは限らない証拠に、料理屋などでも、一と通り料理の出た後に、饅頭なぞの、菓子を出すではないか...
古川緑波 「甘話休題」
...これを知らざらしめん...
南方熊楠 「十二支考」
...女従わざれば迷薬呪語もて動くも得ざらしめ辱(はずか)しむ...
南方熊楠 「十二支考」
...神信心もまんざら悪かァ無え筈よ」と言われて三次真赤になった...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...そしてこれもまんざら悪くはねえなんて...
山本周五郎 「柳橋物語」
...浮き大尽ではおざらぬよ』『えっ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...上下何百丈かにわたるざらざらとした崖を横に切って紐の様な径がついているのだが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索