...葉子は一か月の余も遠のいていた新聞紙を物珍しいものに思ってざっと目をとおし始めた...
有島武郎 「或る女」
...一度は衆人環視の雑踏(ざっとう)の場所で...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...成る可(べ)く人目にかからぬように毎晩服装を取り換えて公園の雑沓(ざっとう)の中を潜(くぐ)って歩いたり...
谷崎潤一郎 「秘密」
...タキシイでざっと町を見てまわった...
徳田秋声 「仮装人物」
...よく縁日の雑沓(ざっとう)の中で...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...ざっと一万円位はあるだろうと思うのを...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ざっと一時間と十分ぐらい...
野村胡堂 「胡堂百話」
...ここでもざっと二...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ざっと三十坪ほどの思ったよりは豪勢な部屋で...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...雑沓(ざっとう)の流れ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...客席ざっと満員だが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...毎日ざっと目を通すのが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...ざっと読んだことがある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ざっとあびて出よう...
山本周五郎 「ちゃん」
...わざっと妾の眼の下の往来でブツカリ合うように時間を手加減なすったのかも知れない...
夢野久作 「ココナットの実」
...雑鬧(ざっとう)していた市街が急に森のように変化したことは...
横光利一 「上海」
...なぜといえばだな――」彦十は、日吉に分る程度に、斎藤一門の内訌(ないこう)と、美濃の紛乱(ふんらん)している実状とを、ざっと、次のように掻(か)いつまんで語った...
吉川英治 「新書太閤記」
...六日後の牢城から江州郊外への刑場の道はたいへんな雑閙(ざっとう)だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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