...我未ださる者を救いたる事なし...
饗庭篁村 「良夜」
...「しまった」兵曹長も、さる者です...
海野十三 「怪塔王」
...……とにかく、敵もさる者で、全くの不意打らしいぞ」敵の飛行隊の根拠地から、二時間半しかかからないと聞くと、さすがに距離の近さがハッキリ頭に入ったような気がした...
海野十三 「空襲警報」
...「私(わたくし)さる者から...
薄田泣菫 「茶話」
...疾(と)くにさる者ありと感づいたであろうが...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし、敵もさる者、カーチス戦闘機が十八機、死にものぐるいの逆襲をやり、わが神風式偵察機と、入りみだれて機関銃を射(う)ちあった...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...ために代写すべき人を索(たずぬ)るに意に称(かな)ふさる者のあるべくもあらず云々とあるを見れば当時における馬琴の名望位地を以てしてもなほ思ふままにはならずと見えたり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...一向埒(らち)明かずとあってカリブ人、また鼠を遣わすとこやつ小賢(こざか)しく立ち廻ってたちまち獏の居所を見付けたが、獏もさる者、鼠に向いわれと同類の汝がわが食物を得る場を垢(あか)の他人の人間に告げたって、人間ほど薄情な者なければ、トドの詰まりは狡兎(こうと)死して良狗(りょうく)煮らるだ...
南方熊楠 「十二支考」
...聞けば善光寺あたりからさる者の世話で...
吉川英治 「上杉謙信」
...どういう御用向きで」「先頃さる者が...
吉川英治 「江戸三国志」
...さる者」「人は知らず...
吉川英治 「大谷刑部」
...官兵衛もさる者である...
吉川英治 「黒田如水」
...しかし伝内もさる者...
吉川英治 「剣難女難」
...敵の仲達にまさる者はいない...
吉川英治 「三国志」
...しかし、彼もさる者、寄手の弱点は、充分見ぬいている...
吉川英治 「新書太閤記」
...漢土(かんど)の智者謀将(ぼうしょう)にもまさる者だ...
吉川英治 「新書太閤記」
...が、任原もさる者、片足でよろめき止まって、奮然とふたたび躍りかかる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一振りふってねじ倒すつもりだったが、周馬もさる者、どッこい、そうはさせねえと万吉の手を払って、横へ七尺ばかり、つッ――と体を避けたかと思うと、「なんだ、てめえは?」怖ろしい目で、万吉を睨(ね)めた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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