...我未ださる者を救いたる事なし...
饗庭篁村 「良夜」
...帆村荘六は、某大国の機密を何とかして探りあてたいと、寝食を忘れて狂奔(きょうほん)したが、敵もさる者で、なかなか尻尾をつかませない...
海野十三 「東京要塞」
...この電話の裡(うち)に警察では直ちに手配して、電話を掛けている密告者の逮捕を企(くわだ)てたが、向うもさる者で、僅か二分間で電話を切ってしまった...
海野十三 「獏鸚」
...他に何人(たれ)も御遠慮なさる者はいませんから」謙作はふと考えた...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...何が故黄銅の兜を着くる? トロイアの軍探るべく同僚の一人醒まさんためなるや?暗黒の夜にたゞ獨り奮ひ進みて敵軍の偵察敢てなすべしと君に約さんものありや? 40さる者無きを我恐る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...どういう御用向きで」「先頃さる者が...
吉川英治 「江戸三国志」
...官兵衛もさる者である...
吉川英治 「黒田如水」
...「筑前もさる者」と...
吉川英治 「黒田如水」
...しかし伝内もさる者...
吉川英治 「剣難女難」
...父にまさる者という世評すらあったが...
吉川英治 「剣の四君子」
...敵の仲達にまさる者はいない...
吉川英治 「三国志」
...しかし、彼もさる者、寄手の弱点は、充分見ぬいている...
吉川英治 「新書太閤記」
...城中のさる者に賄賂(まいない)を送り...
吉川英治 「新書太閤記」
...漢土(かんど)の智者謀将(ぼうしょう)にもまさる者だ...
吉川英治 「新書太閤記」
...答える者もさる者...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そして上皇は清盛の持つもの(兵馬の威力)を御手中に籠絡(ろうらく)してしまおうというお心に見えるし、清盛もさる者で、即(つ)かず離れず、上皇をあやなし奉り、自門の伸長に心している様子です...
吉川英治 「随筆 新平家」
...お案じなさる者じゃございません...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...一振りふってねじ倒すつもりだったが、周馬もさる者、どッこい、そうはさせねえと万吉の手を払って、横へ七尺ばかり、つッ――と体を避けたかと思うと、「なんだ、てめえは?」怖ろしい目で、万吉を睨(ね)めた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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