...柳(やなぎ)のみどりがさらりと拂(はら)ふと...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...ト思うと、しめ切らないその扉の透間から、やや背屈(せかが)みをしたらしい、低い処へ横顔を見せて廊下を差覗(さしのぞ)くと、表階子の欄干(てすり)へ、雪洞を中にして、からみついたようになって、二人附着(くッつ)いて、こなたを見ていた白衣が、さらりと消えて、壇に沈む...
泉鏡花 「婦系図」
...過去はさらりと水に流すべく候...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...さらりと言ってのけたその語調には...
高見順 「いやな感じ」
...「四郎さん……しばらく」照子はさらりと言ってのけた...
高見順 「いやな感じ」
...」平然な顔でさらりと言ってのけるその様に...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...ふうわりと押せばさらりと受ける...
豊島与志雄 「秦の出発」
...左の手で髮の根元をぎつと一つに握つて櫛を持つた右の手で前へさらりと打ち返した...
長塚節 「開業醫」
...おつぎは竹竿(たけざを)へ手(て)を掛(か)けると輕(かる)い軟(やはら)かな雪(ゆき)はさらりと轉(こ)けて落(お)ちた...
長塚節 「土」
...突然風呂場の戸がさらりと開(あ)いた...
夏目漱石 「草枕」
...しまいぎわには四尺あまりの半切れがさらりさらりと鳴って...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...投げ入れし一品(しな)を誰(た)れにも笑つて告げざりしが好みの明烏(あけがらす)さらりと唄はせて...
樋口一葉 「たけくらべ」
...下女部屋の紙障(しょうじ)がさらりと開く...
二葉亭四迷 「浮雲」
...今は身どももさらりと心は解け申した...
本庄陸男 「石狩川」
...えげつない人物達のことはさらりと打ち忘れて...
牧野信一 「船の中の鼠」
...さらりとしてしまえばよいのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...世帯くさいいろんなものをさらりとすてて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今さら、面伏(おもぶ)せに、云い籠(ごも)っておるよりは、さらりと、胸のうちを申してしまおう...
吉川英治 「新書太閤記」
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