...さらさらと風が吹いて来て旅人の冠(き)ていた笠が...
田中貢太郎 「ある神主の話」
...絹や金襴や上質の亜麻のさらさら擦れる音などのために...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...長い白楊樹(はくようじゅ)のさらさらと鳴る下で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ぶっかけてさらさらとお茶づけにしたら……ああ久しぶりのごちそうだ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...さらさらと次の絶句を走らせる...
中里介山 「大菩薩峠」
...さらさらと青畳に障(さわ)る音さえ聞える...
夏目漱石 「一夜」
...さらさらと竹林のさやぎに似た波の音がこころよく耳にひびいてきます...
火野葦平 「人魚」
...このうへ軍隊に御奉公なさる筋はさらさら之無かるべく存じ候...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...さらさら思うでないぞ...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...頭上でさらさらと落葉の立ててゐる音を聞くともなしに聞いてゐるのは...
堀辰雄 「七つの手紙」
...雪の質は乾いてさらさらとしているし...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...本件を白状の道具に使う気はさらさらありません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...まことに antic な契約書をさらさらと認めて...
牧野信一 「酒盗人」
...その離室は崖から滾れ落ちる筧のわずかな水音がさらさらと耳を打つのみで...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...そうすると妙に自分というものを見棄てやがったような気がしてきて……サササササお前さんのほうじゃさらさらそういう気じゃなくってもよ...
正岡容 「小説 圓朝」
...乾いたいやな匂いでさらさらと鳴っていた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...さらさらと書いて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...さらさらとしていて...
和辻哲郎 「京の四季」
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