...時々雨戸へさらさらと吹つかける音もするやうだ...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...やがてさらさらと穂に攀(よ)じて...
泉鏡花 「悪獣篇」
...それをさらさらとゆり鳴らしながら...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...これは、面白い、とひとりで首を振りながら感服なさって腕組みをし、しとしとは、どうか、それじゃ春雨の形容になってしまうか、やはり、さらさらに、とどめを刺すかな? そうだ、さらさらひらひら、と続けるのも一興だ...
太宰治 「千代女」
...さらさらいう衣ずれの音や...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...中庭の例の篠懸の樹のさらさらと動く葉影で絶えず変化する斑(まだら)模様をつけられている三番目の室は...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...さらさらという流れの音にまじって...
中井正一 「美学入門」
...そしてその尺度で測ったさらさらの度合いが...
中谷宇吉郎 「粉雪」
...愚痴るつもりもさらさらない...
野村胡堂 「胡堂百話」
...さらさらと障子に吹きつけてゐる雪の氣配...
林芙美子 「雪の町」
...自分の頭上の真黄いろな楡の木の葉がさらさらと音を立てながら絶えず私の肩のあたりに撒(ま)き散(ち)らしている細かい日の光をなんて気持がいいんだろうと思っているうちに...
堀辰雄 「菜穂子」
...故国の首都に帰るつもりはさらさらない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...草の壁にさらさらと絶えまなく鳴っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...三杯目をさらさらと食べながら...
前田夕暮 「種紙の青む頃」
...さらさらさっと八方へ...
正岡容 「圓朝花火」
...神樣にだつて運命にだつてそれを請求しようとはさらさら思ひません...
水野仙子 「響」
...肩をすべってさらさらとその背へながれおちた...
山本周五郎 「いさましい話」
...さらさらと衣(きぬ)ずれの音が通った...
吉川英治 「親鸞」
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