...万一さもなき節は他家の並(なみ)もあるべきか...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...又さもなければ如何に良秀でも...
芥川龍之介 「地獄変」
...さもなければお松さんのいじめ方が一層悪辣(あくらつ)になったのであろうか...
芥川龍之介 「葱」
...ダイヤモンドには美しさもあれば價値もあります...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...私はさあらぬ体(てい)を装って、子供の時からこんな工合におり/\患(わずら)うことがありますが、半月も養生すればいつも直ってしまいますから、今度も日数を待っておりましょう、何も大事なことなんぞ思ってはいませんと云いましたけれども、薬師は御前へ出て、あれは病気とは覚えませぬ、身に大事を持っている人か、さもなかったら、昔ならまあ恋とでも云うわずらいでございましょうと申し上げたと見えるのです...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...さもそれがひどくおかしいことのように...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...しかし行によって段の多少がありますから、段の少ないものは穴をあけておくか、さもなければ、これまでの五十音図のように、同じ字を二箇所に出して穴をうめるかですが、活用の説明には同じ字を出した方が便利だろうと思います、さて、右の甲と乙との違いが、同じ行での段の違いであるとしたなら、その発音はどうかと言いますと、最初に来る子音、すなわちk、t、n、m、r、yなどの違いでなく、その次に来る音の違いであるということになります...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...さういふ夫人の冷靜さも母と話してゐたため少し遲れながら入つてきたフランソアを見ると...
堀辰雄 「「オルジェル伯爵の舞踏會」」
...さもないと、殺し合いになる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...さもさも美味さうに呑みはじめたのである...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...さもなければ即座(そくざ)に死刑(しけい)だ』これでは全(まつた)く證人(しようにん)の元氣(げんき)づかう筈(はづ)がありませんでした...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...さもないとわたしたちはみんな...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...まさも下から黒と赤の混ざったスコッチの赤坊靴下のあみかけをもって来て編みはじめた...
「鏡餅」
...また堪えがたい寂しさも感じている源氏は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...さもなければとっくにとびだしてしまうか...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...さもあらんと思っていたが...
吉川英治 「三国志」
...さもなければ、新田家とて、数代、このような御不遇ではおりますまいに」「それよ...
吉川英治 「私本太平記」
...二月の草萌(くさも)えが匂って...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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