...多くの怪談をむさぼり読んで...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...余りに事の意外さに、蘭堂は暫くぼんやり立尽(たちつく)していたが、やがて、テーブルの上の手紙の様な紙片(かみきれ)を手に取って、むさぼり読んだ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...行(おこな)いは男子らしく堂々たらねばならぬ苦労することを恐れて安逸(あんいつ)をむさぼりたいと思うからこそ...
大隈重信 「青年の天下」
...その単調な生活を破る皮肉な興味をむさぼりたかったのだ...
大杉栄 「続獄中記」
...『オリーヴの枝』新聞をむさぼり食ってばかりいずに...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ぎっしり並べた鍋台の前をこの世でいちばん居心のいい自分の巣にして正直まっとうの食欲とおしゃべりとに今歓楽をつくす群集、まるで魂の銭湯のように自分の心を平気でまる裸にする群集、かくしていたへんな隅々の暗さまですっかりさらけ出してのみ、むさぼり、わめき、笑い、そしてたまには怒る群集、人の世の内壁の無限の陰影に花咲かせて、せめて今夜は機嫌よく一ぱいきこしめす群集、まっ黒になってはたらかねばならぬ明日を忘れて年寄やわかい女房に気前を見せてどんぶりの財布をはたく群集、年寄やわかい女房と一緒ではない俺は、牛肉を思い切り胃袋に詰め込むと、「女を買いに行こうや」と丸万に言った...
高見順 「いやな感じ」
...そこで一皿(さら)の粥(かゆ)をむさぼり食った後に椅子(いす)に凭(よ)ってこんこんとして眠る...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...私から何もかもむさぼり取ったひとなのだから...
林芙美子 「新版 放浪記」
...継母はよろこんでむさぼり食つた...
林芙美子 「瀑布」
...私から何もかもむさぼり取った男なんだから...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...彼は飢えた狼(おおかみ)のようにむさぼり飲んだ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...むさぼり食べるのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...むさぼり読んだのが最新ニュース欄だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...むさぼり求めるような憧憬が燃えているのだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...「あまりに利益をむさぼりすぎる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それを書物にする際に量をむさぼり...
柳田国男 「雪国の春」
...したたかにわれに喰(くは)せよ名にし負ふ熊野が浦はいま鰹時熊野なる鰹の頃に行きあひしかたりぐさぞも然(し)かと喰(を)せこそいまは早やとぼしき錢のことも思はず一心に喰へこれの鰹をむさぼりて腹な破りそ大ぎりのこれの鰹をうまし/\とあなかしこ胡瓜もみにも入れてあるこれの鰹を殘さうべしや六月三日...
若山牧水 「熊野奈智山」
...居処(きょしょ)をむさぼり...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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