...誰れが建てたのか一軒のものさびた別荘風の館がある...
大阪圭吉 「闖入者」
...さうしてさびた揚句の果が...
太宰治 「九月十月十一月」
...そうしていかにも老夫婦らしいさびた情味があってわれわれのような年寄りの観客にはなんとなくおもしろい...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...御城の杉の梢は丁度この絵と同じようなさびた色をして...
寺田寅彦 「森の絵」
...さびた古い散弾銃に弾を込めて...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...その奥ゆかしくさびた紅は千年をへだてる初唐の色である...
中勘助 「胆石」
...機械は今でも古さびた姿でぽつねんと佇んでいるが...
中村地平 「南方郵信」
...松の下に黒くさびた鉄灯籠(かなどうろう)が名の知れぬ赤石の上に...
夏目漱石 「草枕」
...物さびた美しい和本などには...
野村胡堂 「胡堂百話」
...紅白(こうはく)の綱(つな)ながく垂(た)れて古鏡(こきよう)の光(ひか)り神(かみ)さびたるもみゆ...
樋口一葉 「われから」
...苔(こけ)さびた石の門をはいると...
久生十蘭 「あなたも私も」
...いかに神林大いに茂り四辺神さびたる神社を見るも...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...よこの男は腕ぐみしながら靜かにさびた聲で...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...ふと見つけ出した荷車のさびた古釘を取り上げ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...神さびた弁天堂(べんてんどう)の建物が見えた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...いかにも苔(こけ)さびた閑寂な輪奐(りんかん)だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...神さびた額堂の方へスタスタと歩いて行く...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...雑然と旅衣裳の散らばってる妾達のユーロップ・ホテルの居間の電鈴がさびた音を立てました...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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