...自己の外廓をめぐる塵埃の多い日照道を倦むことなき精力を以つて匍匐して行くのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私等は話に倦むと連立つて招魂社の境内を散歩した...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...私はそんなことにも倦むと...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...従って倦むことを知らない...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...殆ど倦む事を知りませんでした...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...われわれは倦むことなしに...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...読者の倦むをも顧ずこれを採録せずには居なかつたであらう...
永井荷風 「里の今昔」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...倦むことなく前進してくる人と犬橇の一隊がうつる...
久生十蘭 「南極記」
...何よりも倦む事を恐れつつ進んで行こう...
松永延造 「職工と微笑」
...住民の倦むことなき勤勉が今日まで常に主として農業に向けられて来たことにある...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...話し倦むことを知らない照子の饒舌に耳を傾けた...
宮本百合子 「斯ういう気持」
...極めて勤勉な倦むことを知らぬ役割をもって居るものですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...同じことを繰返しながら倦むこともなかった...
室生犀星 「後の日の童子」
...到るところで絶えず自分をつけねらう倦むことなき追跡からのがれるためにそれまで随分長いこと苦労に苦労を重ねて来たことや...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...孝先生(順孝兩君共に令弟)は書に倦むと笛を吹く...
横瀬夜雨 「花守」
...「疲れ」とか「倦む」とかいつたことはない...
吉川英治 「折々の記」
...倦むと時々、「時勢が時勢なら――」と、平家の世をのろわしく思うてもみるが、結局、無力なものの愚痴と自嘲して、子どもの顔でも見て忘れようと思うのであった...
吉川英治 「親鸞」
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