...『自然の美しさはたたへて倦む事を知りませぬ』とセムボビチスが云つた...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...自己の外廓をめぐる塵埃の多い日照道を倦むことなき精力を以つて匍匐して行くのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私等は話に倦むと連立つて招魂社の境内を散歩した...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...私のやうな若ものをもとらへて夜を徹して論議して倦むことを知らなかつたのも...
石川三四郎 「浪」
...従って倦むことを知らない...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...朝遅く起き、朝昼兼帯の食事を階下の食堂で済ませてから、読みたくもない本を無理に辞書と首っぴきで十頁ほど読み、それに倦むと、親戚の子供の死んだのにくやみの手紙を出さなければならないことを思い出して、書こうとしたが、どうしても書けない...
中島敦 「狼疾記」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...倦むことなく犯罪学(クリミノロジイ)の研鑚に従っている真名古の姿こそは...
久生十蘭 「魔都」
...どこまでも解剖して倦む事を知らない」點は共通である...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...何よりも倦む事を恐れつつ進んで行こう...
松永延造 「職工と微笑」
...反社会主義と産児調節の宣伝のために倦むことを知らぬ活動を続けた...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...住民の倦むことなき勤勉が今日まで常に主として農業に向けられて来たことにある...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...話し倦むことを知らない照子の饒舌に耳を傾けた...
宮本百合子 「斯ういう気持」
...極めて勤勉な倦むことを知らぬ役割をもって居るものですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...同じことを繰返しながら倦むこともなかった...
室生犀星 「後の日の童子」
...倦むことなく現実の世に働くもの...
柳宗悦 「雑器の美」
...徹底的に飲みまくつて倦むところを知らない...
吉井勇 「青春回顧」
...倦むと時々、「時勢が時勢なら――」と、平家の世をのろわしく思うてもみるが、結局、無力なものの愚痴と自嘲して、子どもの顔でも見て忘れようと思うのであった...
吉川英治 「親鸞」
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