...『自然の美しさはたたへて倦む事を知りませぬ』とセムボビチスが云つた...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...自己の外廓をめぐる塵埃の多い日照道を倦むことなき精力を以つて匍匐して行くのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私のやうな若ものをもとらへて夜を徹して論議して倦むことを知らなかつたのも...
石川三四郎 「浪」
...土地は只に倦むことなく不斷に穀物や草木を生やすのみではない...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...従って倦むことを知らない...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...殆ど倦む事を知りませんでした...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...朝遅く起き、朝昼兼帯の食事を階下の食堂で済ませてから、読みたくもない本を無理に辞書と首っぴきで十頁ほど読み、それに倦むと、親戚の子供の死んだのにくやみの手紙を出さなければならないことを思い出して、書こうとしたが、どうしても書けない...
中島敦 「狼疾記」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...どこまでも解剖して倦む事を知らない」點は共通である...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...湖をとりまく山の紅葉かな中宮祠神殿の御格子おろす紅葉かな石壇や一つ/\に散紅葉引き返して日光に帰るに固(もと)より同じ道筋なれど見上げたるけしきは見下したるながめに異なり苦しんで見るは楽しんで見ると異なり朝日のいさましきは夕日のあはれなるに異なりてひねもす倦むことも知らず...
正岡子規 「日光の紅葉」
...何よりも倦む事を恐れつつ進んで行こう...
松永延造 「職工と微笑」
...反社会主義と産児調節の宣伝のために倦むことを知らぬ活動を続けた...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...同じことを繰返しながら倦むこともなかった...
室生犀星 「後の日の童子」
...夜ふかく洋灯(らんぷ)を点火し母のすがたをおそれ書きものをしつ倦むことなかりしわれなるにいまは筆とることのもの懶(う)くたとへよしあしをつづるとも何とてかかる深き溜息をするものぞ...
室生犀星 「忘春詩集」
...倦むことなく現実の世に働くもの...
柳宗悦 「雑器の美」
...孝先生(順孝兩君共に令弟)は書に倦むと笛を吹く...
横瀬夜雨 「花守」
...「疲れ」とか「倦む」とかいつたことはない...
吉川英治 「折々の記」
...倦むと時々、「時勢が時勢なら――」と、平家の世をのろわしく思うてもみるが、結局、無力なものの愚痴と自嘲して、子どもの顔でも見て忘れようと思うのであった...
吉川英治 「親鸞」
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