...底のないようなさびしい悲哀……そのうちに葉子は悲哀とも睡(ねむ)さとも区別のできない重い力に圧せられてまた知覚から物のない世界に落ち込んで行った...
有島武郎 「或る女」
...寂(さび)しい時の...
泉鏡花 「霰ふる」
...いちばんさびしいばしょに陣(じん)どって...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...けれども陸上では聞く事の出来ぬ気高い凄(さび)しさが...
太宰治 「お伽草紙」
...Sはさびしい犬だ...
種田山頭火 「其中日記」
...しかしさびしい以上によいものがあります...
種田山頭火 「其中日記」
...雨のふるさびしい日に...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...清三の心はさびしかった...
田山花袋 「田舎教師」
...遠く遠くさびしい悲しい野山の旅をして行くさまが...
田山花袋 「道綱の母」
...わさびのきき過ぎたすしを食ったときにこぼす涙などは上記のものとは少し趣を異にするようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...老年の慰藉(なぐさみ)となるべき子孫のない身一ツの淋(さび)しさ果敢(はかな)さ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...わたくしの身に懐(なつか)しかったものはさびしさであった...
永井荷風 「雪の日」
...錆槍(さびやり)を借りて横合より突っかける者もありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...さびしさをもまじえたような或る感情が...
火野葦平 「花と龍」
...ハーシュは笑ひながらくさびをはめて油で黒くなった手を草になすりました...
宮沢賢治 「車」
...私より年上の権八は毎朝造船部へかん/\叩(たゝ)き(鉄の錆(さび)を叩き落す少年労働者)に出て二十銭宛(づつ)儲(まう)けて帰つた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...いつやらも鶯(うぐいす)聞(きき)ぬ此(この)おくに落梧(らくご)山伏住(すみ)て人しかるなり野水(やすい)くわら/\とくさび抜けたる米車(こめぐるま)梧是なども後(あと)の句は越(こし)の大徳(だいとく)の故事を踏(ふ)んだものらしいが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...彼が仲間から抜けてはさびしい」「お仲間の道友とは...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索