...一つにはそうしたやるせないさびしさの心やらいもあって...
岡倉由三郎 「茶の本」
...この広い広い世界に誰一人ないように思われて淋(さび)しかったのである...
相馬泰三 「六月」
...リスのすべての動作は森の奥のこのうえなくさびしい所においても人間の踊り子のそれほど観客を眼中においているのだ――全体の距離を歩いたとした場合――歩くのは見たことがない――に要する時間以上をちゅうちょし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...兜(かぶと)の前についている剣に楔(くさび)を入れることを忘れて...
高村光太郎 「回想録」
...いいひとが出征したので此頃さびしそうですね...
太宰治 「風の便り」
...エルバの孤島で不可能の浪に弄(もてあそ)ばれつつさびしく憤死しただがプロレタリアートには不可能がない労働者のおッ母あが絶えず子供を生んで育てているから――乳をのませ...
陀田勘助 「二人の子持ちになった労働者のおッ母あに贈る」
...うすら寒い風が襟元を撫でてさびしかった...
田中貢太郎 「地獄の使」
...さうして温泉に出懸けて行く女のさびしさを感じた...
田山録弥 「アカシヤの花」
...たまらなくさびしい気がした...
田山花袋 「田舎教師」
...Bはさびしい気がした...
田山録弥 「島の唄」
...谷間のさびしいところに世を離れて住んで居る人々の単純な生活は...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...本當に力になつて呉れるものなんかないのですから……』登子は實際さびしいらしかつた...
田山花袋 「道綱の母」
...鶴さんは淋(さび)しそうな顔をして笑っていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...先程の恐ろしい出来事と今聴く淋(さび)しき看経(かんきん)の声とに頭が擾(みだ)され...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...紛れもなくむささびの六の声で...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...今はわれ今はわれ漸(やうや)くに寂(さび)し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...仏壇の錆(さび)十手と...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...片さび烏帽子布打(ぬのうち)の下の袴(はかま)四幅(よの)の指貫(さしぬき)武者(むさ)の好むもの紺よ...
吉川英治 「親鸞」
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