...さくらの花びらのように美しい少年であった...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...・朝の山路で何やら咲いてゐる・すみれたんぽゝさいてくれた□・さくらが咲いて旅人である三月三十一日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...・新菊もほうれん草も咲くままに・草が芽ぶいて来てくれて悪友善友・枇杷が枯れて枇杷が生えてひとりぐらしも・いちにちすわつて風のながれるを・暮れるとすこし肌寒いさくらほろほろ・椿を垣にして咲かせて金持らしく庵中無一物酔うて戻つてさて寝るばかり四月十三日好晴...
種田山頭火 「其中日記」
...その上につゞく桜(さくら)の花...
永井荷風 「すみだ川」
...階下は小売商店の立続いた芝(しば)桜川町(さくらがわちょう)の裏通(うらどおり)に面して...
永井荷風 「ひかげの花」
...私は錦町からの帰途桜田御門(さくらだごもん)の方へ廻ったり九段(くだん)の方へ出たりいろいろ遠廻りをして目新しい町を通って見るのが面白くてならなかった...
永井荷風 「日和下駄」
...あるいは浅草蔵前(あさくさくらまえ)の電燈会社と駒形堂(こまがたどう)の如き...
永井荷風 「日和下駄」
...佐倉炭(さくらずみ)の白き残骸(なきがら)の完(まった)きを毀(こぼ)ちて...
夏目漱石 「虞美人草」
...いっぽんの桜(さくら)の木の根(ね)かたに...
新美南吉 「里の春、山の春」
...今度だけは朝倉石見守(あさくらいわみのかみ)様の手前を取りつくろってやろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さくらも、操も サトミも、百合子も、ドシンと墜ちたやうな顔であつたが、それよりもひどく心に耐へたのは、せん子と粒子であつたらう...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...さくらゐ屋の人形その他で三十個くぢを造ってやることゝした...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...赤いさくらんぼのついた麥藁帽子もかぶらずに...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...絢爛な多彩な柳桜(やなぎさくら)をこき交ぜたような立派やかな扮り...
正岡容 「小説 圓朝」
...窓のさくらはきれいだがわき見はならぬとんてんかんなにがおもてを通らうがよそ見はならぬとんてんかんくにのかあさん思ひ出し淋しくなつてもとんてんかん鍛冶屋の小僧さんほそ腕に力をこめてとんてんかん...
水谷まさる 「歌時計」
...薫は近い二条の院の桜の梢(こずえ)を見やる時にも「あさぢ原主なき宿のさくら花心やすくや風に散るらん」と宇治の山荘が思いやられて恋しいままに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...沖縄火に燃ゆる桜島(さくらじま)を後にし...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...……地主桜(じぬしのさくら)と...
吉川英治 「宮本武蔵」
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