...そのさか手に持つてゐる出齒庖丁を亭主がもぎ取つたところであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いささか手をやいているとき...
海野十三 「怪塔王」
...まさか手に入るとは」「そこに立っている帆村君が...
海野十三 「爆薬の花籠」
...まさか手ぶらで帰られもしねえ...
徳田秋声 「新世帯」
...まさか手品の道具をあずかろうという人があろうとは思いませんでしたし...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...進の方からはまさか手切金の請求を恐れたわけでもあるまいが...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...賢母はいささか手持無沙汰に見えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...いささか手持無沙汰の体(てい)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...一体何をお造りなさる? まさか手毬ぢやないでせうね...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...物置に鍬がありますよ」まさか手では掘れないでせう――と言つた下女の顏を見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物置に鍬がありますよ」まさか手では掘れないでしょう――といった下女の顔を見ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...部下のものどもがいささか手をゆるめたすきに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...兄よめの手前もまさか手ぶらじゃあ帰れません...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...まさか手籠(てご)めにするようなこともないだろう...
山本周五郎 「花も刀も」
...まさか手紙のままそんなに早くなろうとは思わなかっただけに...
横光利一 「旅愁」
...十手をさか手にひらりと跳びあがりました...
吉川英治 「江戸三国志」
...「まさか手放してしまったのではあるまいね」と念を押した...
吉川英治 「三国志」
...良人のいないのがいささか手持ぶさたに思われたけど...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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