...たちまち深い闇(やみ)の中へまっさかさまに転げ落ちました...
芥川龍之介 「河童」
...持つてゐる茶碗を倒(さかさま)にして...
芥川龍之介 「虱」
...何でも父の刀は鞘走(さやばし)った拍子にさかさまに溝の中に立ったということである...
芥川龍之介 「本所両国」
...桶(おけ)が一つさかさにはめこまれていて...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...かさかさになった麦のきりかぶだけ...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 「おやゆび姫」
...まして油屋の方など身代を倒(さかさ)まにふったとて追っつくものではなかった...
犬田卯 「瘤」
...天井に逆(さかさ)にぶら下っていたとき...
海野十三 「崩れる鬼影」
...さかさの感じは無く...
太宰治 「お伽草紙」
...・春もどろどろの蓮を掘るとや・春がゆくヱンジンが空腹へひびく・くもりおもたい蛇の死骸をまたぐ・食べるもの食べつくし雑草花ざかり・春はうつろな胃袋を持ちあるく・蕗をつみ蕗をたべ今日がすんだ・菜の花よかくれんぼしたこともあつたよ・闇が空腹・死ぬよりほかない山がかすんでゐる・これだけ残してをくお粥の泡・米櫃をさかさまにして油虫・それでも腹いつぱいの麦飯が畑うつ・みんな嘘にして春は逃げてしまつたどしやぶり...
種田山頭火 「其中日記」
...クーロアールからまっさかさにころがり落ちたに相違ない...
辻村伊助 「登山の朝」
...橋の下に夜泊(よどま)りする荷船(にぶね)の燈火(ともしび)が慶養寺(けいやうじ)の高い木立(こだち)を倒(さかさ)に映した山谷堀(さんやぼり)の水に美しく流れた...
永井荷風 「すみだ川」
...来た路を引返しながら駒井甚三郎が思う様、この孤島へ来て、さかさまに、白い異人から東洋哲学を聞かせられようとは思わなかった、ドコの国、いずれの時代にも、その時代を厭(いと)う人間はあるものだ、称して厭世家という...
中里介山 「大菩薩峠」
...何だか急に気が進まなくなったのでまた記憶を逆(さかさ)まに向け直して...
夏目漱石 「思い出す事など」
...団扇(うちわ)をふるようにかさかさと鳴って動いていた...
火野葦平 「糞尿譚」
...いつか僕の体はさかさまに水ふちにのめり...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...さかさに立ったって今すぐ彼れ丈のものが右から左へ出るものではなし...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...足の土踏まずがかさかさ乾いて閉口でござる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一人の工夫がかさかさな唇をぱくぱくさせていましたが『おッ...
蘭郁二郎 「穴」
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