...二葉亭はこれより先き語学校の科目としてゴンチャローフやゴーゴリやレルモントフやドストエフスキー等の大文学を研究し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...これより先、政界の動きはようやくあわただしく、伊藤内閣の瓦解は時日の問題と目されていたが、この日ついに伊藤総理大臣が辞表を捧呈した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これより先へは行きたることなし』といふ...
大町桂月 「足柄の山水」
...これより先、若井氏は或る目論見(もくろみ)のために各種にわたった作品を各名手の人々に依嘱していたのであったが、蒔絵(まきえ)、彫金、牙彫のような製作はすべて注文済みとなり、作品も出来上がった物もあったが、ただ、一つ木彫りだけが残っていた...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...また私は、私がつねに、これより先、感覺の對象に甚だしく執着してゐた時にさへも、この種の眞理、すなはち形體とか、數とか、また算術もしくは幾何、あるひは一般に純粹なそして抽象的な數學に屬する他のものについて、私が明證的に認知したところの眞理をば、あらゆるもののうち最も確實なものと看做したといふことを想起するのである...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...むしろこれより先んじて汝の都城――人口の豐かなるものわれの手に奪ひ取られん...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...これより先、そこに待合わせていたらしい一行がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...これより先へは一寸も歩けない倦怠が二人を悩まして...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おう!」と答えて中から出て来たのは、これより先、いつのまにか来着して一隅に寝ていた一人の壮士でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...これより先、がんりきの百蔵と、宇治山田の米友も、件(くだん)の如き首(くび)っ枷(かせ)の芸当を以て京の町外れまで一散に走りましたが、そこで、米友は、がんりきの肩から下り、がんりきは脚絆(きゃはん)の紐(ひも)を結び直したけれども、二人の口頭には別になんらの人物論も起りません...
中里介山 「大菩薩峠」
...これより先(さ)き小厠(こづかい)を一人(にん)使用するの必要は無論感ずる所なりしといえども...
野中到 「寒中滞岳記」
...名媛クララこれより先...
野村胡堂 「楽聖物語」
...「裸蝴蝶」の問題の時には、――これより先、裸美の画坊間(ぼうかん)の絵草紙屋(えぞうしや)に一ツさがり、遂に沢山さがる...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...先ず公訴状朗読の事ありしに、「これより先、磯山清兵衛(いそやませいべえ)は(中略)重井(おもい)、葉石(はいし)らの冷淡なる、共に事をなすに足る者に非(あら)ず」云々(うんねん)の所に至るや第三列に控えたる被告人氏家直国(うじいえなおくに)氏は、憤然として怒気満面に潮(ちょう)し、肩を聳(そび)やかして、挙動穏やかならずと見えしが、果して十五ページ上段七行目の「右議決の旨(むね)を長崎滞在の先発者田代季吉(たしろすえきち)云々」の処に至り、突然第一列にある、磯山清兵衛氏に飛びかかり、一喝(いっかつ)して首筋を掴(つか)みたる様子にて、場(じょう)の内外一方(ひとかた)ならず騒擾(そうじょう)し、表門警護の看守巡査は、いずれも抜剣(ばっけん)にて非常を戒(いまし)めしほどなりき...
福田英子 「妾の半生涯」
...これより先はどうなっているのかわかりません...
ライマン・フランク・ボーム Lyman Frank Baum 大久保ゆう訳 「サンタクロースがさらわれちゃった!」
...これより先(さ)き多紀氏は同じ孫思(そんしばく)の『千金翼方(よくほう)』三十巻十二冊を校刻した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...これより先幕府は安政三年二月に...
森鴎外 「渋江抽斎」
...これより先(さき)日野屋では五百に壻を取ろうという議があって...
森鴎外 「渋江抽斎」
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