...けれども母親は「わたしはもうこらえる力がありません...
アミーチス 日本童話研究会訳 「母を尋ねて三千里」
...しかし葉子はすでにそれをじっとこらえるだけの冷静さを回復していた...
有島武郎 「或る女」
...彼はこらえることが出来ないで身を慄わして慟哭(どうこく)した...
相馬泰三 「六月」
...こらえることができる...
太宰治 「姥捨」
...それをじっと押しこらえるような表情をして...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...この恩愛の別離の悲嘆を、こらえることが、武士らしい態度だと、信じていた...
直木三十五 「南国太平記」
...こらえる羽目になったけど...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...女どもはこの上涙をこらえることは出来なかった...
本庄陸男 「石狩川」
...仮りにも自分よりは一段下に居るべき者だと思って居る女の前で益々乗ぜられる様な素振りを現わす事はこらえる丈の余裕は有った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...負け込んで来て、そいつを受けて立って、どう、こらえるかだあ...
三好十郎 「胎内」
...こらえるほど烈しい震えようがした...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...その位の不快をこらえるにはこと足りる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いや本当だ」喜兵衛はこみあげてくる咳をこらえるために...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...それをこらえるために力限り手を握り緊めた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...涙をこらえる顔のすじが...
吉川英治 「江戸三国志」
...「たッ……」と玄蕃も押しこらえる...
吉川英治 「剣難女難」
...こらえるとか、堪忍とか、二人はいっているが、彼自身は、生来の性質が微温的にできているのか、実際、朱雋の命令にしてもそう無礼とも無理とも思えないし、怒るほどに、気色を害されてもいなかったのである...
吉川英治 「三国志」
...「くそウ!」と万吉は死力でこらえる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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