...こもった哀愁が、発しない酒のように、葉子のこめかみをちかちかと痛めた...
有島武郎 「或る女」
...倉地は力のこもった目で葉子をじっと見てちょっとうなずくとあとをも見ないでどんどんと旅館のほうに濶歩(かっぽ)して行った...
有島武郎 「或る女」
...武揚(たけあき)は五稜郭(ごりょうかく)にたてこもったときにも...
高山毅 「福沢諭吉」
...力のこもった聲であった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...自分の室にはいって閉じこもった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフは自分の室に上がっていって、閉じこもった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」その時の彼女の同時に絶望と恐怖と歓喜とのこもった様子は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いかにも実感のこもった声音であった...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...だがここはたいへん気持がよろしいでしょう? 部屋はこの点、実に場所がいいんです」それに対してKは何も言わなかったが、彼を不快にしたのはほんとうは暖かさではなく、むしろこもった、息苦しくさせられるような空気のためであり、部屋はずっと前から換気されていないにちがいなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...珍しく感情のこもった声だった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...何かの変りを予想している響がこもった...
「今朝の雪」
...あたえられた一室に引きこもった...
山川方夫 「菊」
...心のこもった品である...
山本周五郎 「落ち梅記」
...こもったような琴の音色には...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...力のこもったするどい光を放つようにみえた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...どの人人も真心のこもった表情で欄干の傍からいつまでも姿を消そうとしなかった...
横光利一 「旅愁」
...病をとなえてひきこもったまま...
吉川英治 「私本太平記」
...幾日も閉じこもった...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索