...肌理(きめ)こまかな婀娜(あだ)もの――おまへの胸から好い香(にほひ)がする...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...そんなこまかな窮竟(きゅうきょう)はおぼつかない...
太宰治 「惜別」
...象牙(ぞうげ)彫りのようにキメのこまかな横顔……キラキラとした...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...こまかな数字まで交えて...
豊島与志雄 「操守」
...その他いろんなこまかなことのごたごたした日々が...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...砂の如くこまかなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...書いた字も読めないくらゐ色どりこまかな封筒でオシタシに舌鼓を打つたのよ...
中原中也 「音楽と世態」
...なかなか心づかいのこまかな伊藤少輔であった証拠は...
服部之総 「明治の五十銭銀貨」
...こまかな灰がばさばさばさばさ降って来て...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...こんなこまかな女房のよろこびとこんな大きい芸術のうれしさとがとけあって一つにもてるということにある条件...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...海はあの子がしなやかにきめこまかな体の線を張って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「あの娘は魔ものだ」と彼は云った、「初めて会ったのは半年まえ、いまが十月だから、五月のことだろう、小間使を伴れて診察を頼みに来た、――私は京橋で医者をしているんだがね」「おつむを拝見すればわかりますわ」「注いでくれ」彼は椀の蓋をさしだした、「胸が痛むから診てくれと云って、こっちがなにも云わないうちに、くるっと、いさましく肌ぬぎになった、双肌(もろはだ)ぬぎだ、いやその美しいこと、女の肌は見馴れているが、あんなに美しい胸を見たのは初めてだ」俗にめくら乳という、乳首の出ていない、薄い樺色(かばいろ)の乳暈(にゅううん)だけの、小さいけれど固く張りきった乳房(ちぶさ)から、きめのこまかな、清絹(すずし)のように青みを帯びた白いなめらかな肌、まるく小さな肩や、くびれている細腰などを、得石は昂奮(こうふん)した口ぶりで、手まねをしながら詳しく語った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...たゞ散り積つてゐるこまかな落葉をさつくり/\と踏んでゆく気持は悪くなかつた...
若山牧水 「木枯紀行」
...まるた位ゐでせうナ……餌は何です」「みゝずです」「みゝずなら何にでもいゝ」と言つてのそりと大きな男は立ち上りましたそして言ひ添へました「どうも此頃あたらなくなりましたよ」「ですかねヱ……左樣なら」私は振返つて言ひましたそのうちこまかな雨が來ました身體のめぐりの曼珠沙華(まんじゆさげ)が次第に濡れてなんとも云へぬ赤い色ですそれが水にも映つてる對岸の藪の向うでは見えはしないが蟲送りでせうかん...
若山牧水 「樹木とその葉」
...砂のこまかな波打際に坐って...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
...枯草続きの汀のこまかな砂の上ではそれでも湛えた水のめぐりの際を示すようにちゃぶちゃぶという音を立てて居る...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...従ってそれは、直観的にはきわめて貧しく、ただ心理描写として、濃淡のこまかな、自然の物象のみによっては現わせない心の隅々(くまぐま)を、把捉し得るようになるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...こまかなる事どもを娘にかかせたりけるとぞ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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