例文・使い方一覧でみる「こま」の意味


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...然しここまで私の考察を書き進めて来ると...   然しここまで私の考察を書き進めて来るとの読み方
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」

...それとも渦にまきこまれてしまったかな」ぼんやり黄いろく光る魚油灯を...   それとも渦にまきこまれてしまったかな」ぼんやり黄いろく光る魚油灯をの読み方
海野十三 「怪塔王」

...やや安心なさつた御様子でかれこれこまかい取越苦労の御助言をなさる事も少くなり...   やや安心なさつた御様子でかれこれこまかい取越苦労の御助言をなさる事も少くなりの読み方
太宰治 「右大臣実朝」

...(八)長火鉢の側に立膝して、片手には新聞を持ち、片手には烟管をもちて、しきりと煙草をくゆらせながら、今しも仕事に余念なき母親の方をぢツと見て「おツ母さん、露はどこへ行ツたの」ひからびついたやうな声にて「お湯へ行たよ」「大変長いね」「さ様さ」「もう何だよ、そろ/\いぢめて泣かせるがいゝよ」「オヤ大変薄情な事をお言ひだね、自分が勝手に引ずりこんだくせに」「わからないねヱおツ母さん、最初子爵と懇意になつた時分、あの老公の気にいらなくツて、あやふくお払箱になるところを、あいつ老公の妾のくせに、私に心をよせて、自分の兄だといツたもんだから、ぢいさん忽ちのろくなツて、それなりけりになツたんだよ、其おかげであの馬鹿殿を胡麻化して、よツぽど借金のかたをつけたんだアね……だがあすこの奥方は中々悧口だよ、私と露との事を見あらはして、とう/\二人ともおはらひ箱さ……でも私も少し義理があるもんだから、仕方なしにこツそり家にいれたのよ、けれどもおかげで大事の名誉はめちや/\になツたし……それにもう何もかも大抵とり上げたから、此上猶家におけば、只損になるばかりだよ、だからおツ母さん、お前気をきかして、もうそろ/\いぢめておやりよ」残酷きはまる言の葉を、平気の平左で花のやうな愛らしい口から吐出すおそろしさ、母はつく/″\きゝゐしが「なる程きけばそれもさうさね、だがお前、此頃のやうに仕事がなくツては、実にこまるね、東西新聞もふみ倒されてるし、露はお払箱にきめたところで……大きな方はかたづいたが、まだはしたがねが残つてゐて、うるさく催促されるもの、其あとはどうするへ」「なに心配するにおよばないよ、私にはまたいろ/\の手があるから」「さうかへ、ならいゝが」といひつゝ我子をぢツと見て「ほんとにお前の器量なら、女のさわぐのも無理はないよ」「なんだねくだらない事を……それよりかきツとうまくいぢめなければいけないよ」「あいよ承知だよ」折から格子をがら/\あけて、お露は今しもみがきたてゝかへりきたるを、見るより母は目に角たて、我子に一寸目をくばせし、手なみを見よといひ顔に「大変長かツたね、此忙しいのに何をぐづ/\してるんだへ、まいにち/\化粧三昧に大事の時間を費して、女郎芸者ぢやあるまいし、見ツともない、着物をずる/\引ずつて……」いつもとても意地わるけれど、今日はあまりのするどさに、お露は殆ど縮みあがり、小さくなりておそる/\「おツ母さん、かんにんしててうだい、つひお向のみいちやんと御一所になツたもんですから」とがり声にて「また俳優の噂にでも夢中になツてゐたんだろう、馬鹿々々しい……オヤ/\大変美しくおつくりができましたね、丸で粉なやの盗(どろぼう)のやうですよ、オホ……オヤこのこは泣くよ、何が悲しいんだへ、……しかし思へば尤だよ、こんな働のないものを亭主に持て、ろくに物見遊山もできず、おまけに私のやうな、皺くちや老婆の世話までするかとおもツたらさぞなさけなくなるだろうよ、ねヱお前、露は泣く程こゝのうちが否なんだから、男らしく未練をいはずに、ひまをおやりよ」此時までもお露の方を見むきもせず、新聞よみゐし放蕩山人、やうやくこちらに頭をまげ無造作に「なに否ならいつでも出ておいでよ、お前の方では未練があツても、おれの方にはすこしもないから、ちツとも御遠慮には及ばないよ、ハイ女に不自由しませんから」と、言ひつゝ一寸時計を見て「おツ母さん、今日人と約束した事があるから出てくるよ、着物を出しとくれな」「アア」「早くさ、おそくなるといけないから」いはれてやう/\立ながら「なる丈早くかへるんだよ」「早くはかへられないよ」「オヤなぜ」「なぜでも訳はあとで話すよ、いくらおそくとも又二三日かへらなくとも、案じずにゐておくれ、それから着物はあの縞縮緬にしとくれ」「アア」といひつつ母親は奥に行...   長火鉢の側に立膝して、片手には新聞を持ち、片手には烟管をもちて、しきりと煙草をくゆらせながら、今しも仕事に余念なき母親の方をぢツと見て「おツ母さん、露はどこへ行ツたの」ひからびついたやうな声にて「お湯へ行たよ」「大変長いね」「さ様さ」「もう何だよ、そろ/\いぢめて泣かせるがいゝよ」「オヤ大変薄情な事をお言ひだね、自分が勝手に引ずりこんだくせに」「わからないねヱおツ母さん、最初子爵と懇意になつた時分、あの老公の気にいらなくツて、あやふくお払箱になるところを、あいつ老公の妾のくせに、私に心をよせて、自分の兄だといツたもんだから、ぢいさん忽ちのろくなツて、それなりけりになツたんだよ、其おかげであの馬鹿殿を胡麻化して、よツぽど借金のかたをつけたんだアね……だがあすこの奥方は中々悧口だよ、私と露との事を見あらはして、とう/\二人ともおはらひ箱さ……でも私も少し義理があるもんだから、仕方なしにこツそり家にいれたのよ、けれどもおかげで大事の名誉はめちや/\になツたし……それにもう何もかも大抵とり上げたから、此上猶家におけば、只損になるばかりだよ、だからおツ母さん、お前気をきかして、もうそろ/\いぢめておやりよ」残酷きはまる言の葉を、平気の平左で花のやうな愛らしい口から吐出すおそろしさ、母はつく/″\きゝゐしが「なる程きけばそれもさうさね、だがお前、此頃のやうに仕事がなくツては、実にこまるね、東西新聞もふみ倒されてるし、露はお払箱にきめたところで……大きな方はかたづいたが、まだはしたがねが残つてゐて、うるさく催促されるもの、其あとはどうするへ」「なに心配するにおよばないよ、私にはまたいろ/\の手があるから」「さうかへ、ならいゝが」といひつゝ我子をぢツと見て「ほんとにお前の器量なら、女のさわぐのも無理はないよ」「なんだねくだらない事を……それよりかきツとうまくいぢめなければいけないよ」「あいよ承知だよ」折から格子をがら/\あけて、お露は今しもみがきたてゝかへりきたるを、見るより母は目に角たて、我子に一寸目をくばせし、手なみを見よといひ顔に「大変長かツたね、此忙しいのに何をぐづ/\してるんだへ、まいにち/\化粧三昧に大事の時間を費して、女郎芸者ぢやあるまいし、見ツともない、着物をずる/\引ずつて……」いつもとても意地わるけれど、今日はあまりのするどさに、お露は殆ど縮みあがり、小さくなりておそる/\「おツ母さん、かんにんしててうだい、つひお向のみいちやんと御一所になツたもんですから」とがり声にて「また俳優の噂にでも夢中になツてゐたんだろう、馬鹿々々しい……オヤ/\大変美しくおつくりができましたね、丸で粉なやの盗のやうですよ、オホ……オヤこのこは泣くよ、何が悲しいんだへ、……しかし思へば尤だよ、こんな働のないものを亭主に持て、ろくに物見遊山もできず、おまけに私のやうな、皺くちや老婆の世話までするかとおもツたらさぞなさけなくなるだろうよ、ねヱお前、露は泣く程こゝのうちが否なんだから、男らしく未練をいはずに、ひまをおやりよ」此時までもお露の方を見むきもせず、新聞よみゐし放蕩山人、やうやくこちらに頭をまげ無造作に「なに否ならいつでも出ておいでよ、お前の方では未練があツても、おれの方にはすこしもないから、ちツとも御遠慮には及ばないよ、ハイ女に不自由しませんから」と、言ひつゝ一寸時計を見て「おツ母さん、今日人と約束した事があるから出てくるよ、着物を出しとくれな」「アア」「早くさ、おそくなるといけないから」いはれてやう/\立ながら「なる丈早くかへるんだよ」「早くはかへられないよ」「オヤなぜ」「なぜでも訳はあとで話すよ、いくらおそくとも又二三日かへらなくとも、案じずにゐておくれ、それから着物はあの縞縮緬にしとくれ」「アア」といひつつ母親は奥に行の読み方
田澤稲舟 「五大堂」

...処どころ路が濡(ぬ)れていて禿(ちび)た駒下駄(こまげた)に泥があがって歩けないので...   処どころ路が濡れていて禿た駒下駄に泥があがって歩けないのでの読み方
田中貢太郎 「雑木林の中」

...叔母なども娘のころにお遊さんのところへあそびにまいりますとお遊さんは小曾部の家のたからものといったあんばいで身のまわりのどんなこまかい用事にでも自分が手をくだしたことはなくほかの姉さんや妹たちが腰元のように世話をやくことなどがござりましたけれどもそれがすこしも不自然でなくそういうようにされているお遊さんがたいへんあどけなくみえたそうにござります...   叔母なども娘のころにお遊さんのところへあそびにまいりますとお遊さんは小曾部の家のたからものといったあんばいで身のまわりのどんなこまかい用事にでも自分が手をくだしたことはなくほかの姉さんや妹たちが腰元のように世話をやくことなどがござりましたけれどもそれがすこしも不自然でなくそういうようにされているお遊さんがたいへんあどけなくみえたそうにござりますの読み方
谷崎潤一郎 「蘆刈」

...・山をあるけば木の実ひらふともなく・水くんでくる草の実ついてくる森はまづいりくちの櫨を染め夜はしづかだつた、雨の音、落葉の音、そして虫の声、鳥の声、きちんと机にむいて、芭蕉句集を読みかへした、すぐれた句が秋の部に多いのは当然であるが、さすがに芭蕉の心境はれいろうとうてつ、一塵を立せず、孤高独歩の寂静三昧である、深さ、静けさ、こまやかさ、わびしさ、――東洋的、日本的、仏教的(禅)なものが、しん/\として掬めども尽きない...   ・山をあるけば木の実ひらふともなく・水くんでくる草の実ついてくる森はまづいりくちの櫨を染め夜はしづかだつた、雨の音、落葉の音、そして虫の声、鳥の声、きちんと机にむいて、芭蕉句集を読みかへした、すぐれた句が秋の部に多いのは当然であるが、さすがに芭蕉の心境はれいろうとうてつ、一塵を立せず、孤高独歩の寂静三昧である、深さ、静けさ、こまやかさ、わびしさ、――東洋的、日本的、仏教的なものが、しん/\として掬めども尽きないの読み方
種田山頭火 「其中日記」

...萱山(かややま)の中へ走りこませた...   萱山の中へ走りこませたの読み方
壺井栄 「二十四の瞳」

...そして、わしと、久光とだけが、それを知っている」斉彬は、ここまでいって、急に、言葉の調子を変えた...   そして、わしと、久光とだけが、それを知っている」斉彬は、ここまでいって、急に、言葉の調子を変えたの読み方
直木三十五 「南国太平記」

...こましゃくれた若い主人の忠作のために使い廻されて...   こましゃくれた若い主人の忠作のために使い廻されての読み方
中里介山 「大菩薩峠」

...娘は「消しませうか」と机の上のランプの心を引つこませて立つた...   娘は「消しませうか」と机の上のランプの心を引つこませて立つたの読み方
長塚節 「開業醫」

...俺(お)ら汝(わ)ツ等(ら)がだとなりや幾(いく)ら困(こま)つたつて...   俺ら汝ツ等がだとなりや幾ら困つたつての読み方
長塚節 「土」

...駒飼(こまかひ)見るほどの里もなきに...   駒飼見るほどの里もなきにの読み方
樋口一葉 「ゆく雲」

...もしそんなことになったら……せっかくここまで来ながら……」フレッドさんがだしぬけにだまりこみ...   もしそんなことになったら……せっかくここまで来ながら……」フレッドさんがだしぬけにだまりこみの読み方
久生十蘭 「だいこん」

...あんな説をまじめになって議論している人たちがおかしくなってきますわ」僕はここまで聞くと...   あんな説をまじめになって議論している人たちがおかしくなってきますわ」僕はここまで聞くとの読み方
平林初之輔 「或る探訪記者の話」

...主観と客観はどこまでも互に相異なる他の存在である...   主観と客観はどこまでも互に相異なる他の存在であるの読み方
三木清 「マルクス主義と唯物論」

...そこまで高潮されなければ...   そこまで高潮されなければの読み方
夢野久作 「能とは何か」

...天下を震撼(しんかん)させた小牧(こまき)の役(えき)も...   天下を震撼させた小牧の役もの読み方
吉川英治 「新書太閤記」

「こま」の書き方・書き順

いろんなフォントで「こま」

「こま」の英語の意味


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鳶足   ゆさぶり   満身  

チーズローリングと世界一硬いチーズ

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