...……木の葉をこぼれる雫(しずく)も冷い...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...ぽろ/\涙がこぼれる目へ長い袖を燒けに持つて行つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...珍らしくもしんみりした涙のこぼれるほど心の安靜をおぼえる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...撞(どう)と云うはずみに大切の水がぱっとこぼれる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...大きないががぽかりともげてばらばらとこぼれるのをとんでいって草のなかを捜してるとき落ちてきた枯れ毬(いが)にいやというほど頭を打たれ なるほど と昔の智慧を思いだして羽織を頭からすっぽりかぶる...
中勘助 「島守」
...せまい国土にこぼれるほどの人間がひしめき合い...
永井隆 「この子を残して」
...この時ばかりは涙のこぼれるほど嬉(うれ)しかった...
中里介山 「大菩薩峠」
...それがまた懐中からこぼれるのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...数ヶ度の敗軍つくづく思えば涙がこぼれる小牧山なり...
中里介山 「大菩薩峠」
...膝へポロリと涙のこぼれるのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...えこぼれるほど掻き立てました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...このやうの數々を並べて男なきに涙のこぼれるに...
樋口一葉 「ゆく雲」
...その顎の端から白い魚肉がこぼれるのが見える...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...紙袋から蜜柑や馬鈴薯がこぼれるのだ...
山川方夫 「演技の果て」
...林の中から飛び立った鶫(つぐみ)の群が、澄んだ声を張って鳴きながら、谷のほうへと、こぼれるように、舞いおりていった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...かみさんの綺麗なおはぐろ歯が笑みこぼれる...
吉川英治 「江戸三国志」
...その頬にこぼれる露を...
吉川英治 「私本太平記」
...新芽の先についた花から黄色の花粉のこぼれるのが見えたと思ううちに...
和辻哲郎 「京の四季」
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