...折々思い出したように自分の気持を引ったててみるくらいのことしかできないなんて――」同じ事ならこんな誤謬にみちた生活にこびりついていなくたって...
伊藤野枝 「転機」
...しつこく頭にその時もこびりついていた...
梅崎春生 「蜆」
...いつまでも耳にこびりついて...
太宰治 「音に就いて」
...頭にこびり着いていたものであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...世話人の持つて来て置いて行つて呉れた四角の小櫃(こびつ)の中の米をさがした...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...その魂の根元に無視できない恐怖が膠着(こびりつ)いているかのようです...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...いまわたしの頭にこびりついて離れない例の逸話を思い出したらしい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...唇に不自然な媚(こび)を含(ふく)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その一本に火をつけた時のよろこび! 氏は感謝という言葉が持つ意味を...
橋本五郎 「地図にない街」
...わたしがいまよろこびをもって...
火野葦平 「人魚」
...先方は今度の縁談を大よろこびでな...
火野葦平 「花と龍」
...コプリに媚(こび)を売ってる場合じゃねえですよ」「売ってないぞ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...彼らのうっとりするようなよろこびがあって...
本庄陸男 「石狩川」
...隅々にまでも噎せつぽいやうな甘気な香りがこびりついてゐるやうな感じにも堪へられず...
牧野信一 「早春のひところ」
...あっちにもこっちにも子供が瓜(うり)に飛びついたときのようなよろこびの声や何とも云いようない深いつつましいためいきの音ばかりきこえました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...深い人生のよろこびの源となろうとするのが...
宮本百合子 「男…は疲れている」
...それをよろこびとしてつかみ出さずにることのおどろき...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...小人(こびと)がもう一ど網(あみ)の底(そこ)へころがり落ちるように...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
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