...それにしてももうこの瀬戸ぎわから引く事はできない...
有島武郎 「或る女」
...この瀬戸島の蔭には往時(むかし)から大蛇(おろち)が棲んでるといふ伝説があつて...
薄田泣菫 「茶話」
...けれどもこの瀬川先生の飾らぬ御人格にはひそかに深く敬服していたところがあったので...
太宰治 「佳日」
...この瀬戸の両側では潮の満干が丁度反対になるので...
寺田寅彦 「瀬戸内海の潮と潮流」
...去年以来千々岩はこの瀬戸に舟やり入れて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...この瀬兵衛は他の役も勤めたが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...この瀬戸際になって...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...まま子たる身のおぬひがこの瀬に立ちて泣くは道理なり...
樋口一葉 「ゆく雲」
...けれどもこの瀬戸ぎわに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...だからもとよりこれというほどな教養のあるひとではなかったろうが、この瀬川花魁は、逆境の中から自然にえたような廓に似合わしくない諦観をどこかに持っていたそうである...
吉川英治 「紅梅の客」
...疾(と)くにこの瀬田攻めに参加しておるはずの者...
吉川英治 「私本太平記」
...――要するにこの瀬田城は...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここを敵に委(まか)して引き揚げろと申すは、この瀬兵衛に、男も名も、捨てろというに等(ひと)しいことだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...この瀬戸際(せとぎわ)に意気を欠いたのは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...今もなおこの瀬戸内を去らぬとするなら...
吉川英治 「随筆 新平家」
...さっきから釣糸をそこの瀬へ垂れていた百姓の若人(わこうど)みたいな男は陽に焦(や)けた顔を...
吉川英治 「源頼朝」
...この瀬戸内海の中の小さな島に立ち寄つたのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...聞けば彼女はこの瀬戸内の網場々々をつて鯛を買ひ集め...
若山牧水 「樹木とその葉」
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