...葉子はそれを十倍も二十倍もの強さにして使いこなす術(すべ)を知っているのだけれども...
有島武郎 「或る女」
...数でこなす派のものを...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...それは民主政治が恐怖政治を使いこなすことができないからだ...
ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...夫人の外には読みこなす人が少く印刷所の植字工などの手にはとてもおへなかつたので...
薄田泣菫 「茶話」
...これらの手技をこなす彼女の指は親切かつ強靭だった...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...当時佐助は五つ六つの曲をどうやらこなすまでに仕上げていたので知っているだけを皆やってみよと云われるままに度胸を据(す)えて精限り根限り弾いた「黒髪(くろかみ)」のようなやさしいものや「茶音頭」のような難曲や素(もと)より何の順序もなく聞き噛(かじ)りで習ったのであるからいろいろのものを不規則に覚えていたのである鵙屋の家族は佐助が邪推(じゃすい)したように笑い草にする積りであったかも知れないが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...もしもこれらの問題をかみこなすに適当な「歯」すなわち「方法」が見いだされた暁には...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...初歩的な問題をこなすことから始めるといい...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...しかし非凡な一曲を歌いこなすには...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...その直下(じきげ)にこれをこなすの機会と時間とを与えられなかったから...
中里介山 「大菩薩峠」
...数でこなす必要もない...
夏目漱石 「おはなし」
...人の口真似を巧みにこなすことは出来なかった...
原民喜 「忘れがたみ」
...馬を乗りこなすなんて斯んなにも容易いものかと朗らかに口笛吹いたわ...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...この多能は年枝のいはゆる数でこなすといふ事ならばいざ知らず...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...鶏が茶碗の破片(かけ)だの小石だのを食べて食物をこなすように胃の機械的作用が食物を砕く時中に固いものが少し交っているとかえってよくこなれます...
村井弦斎 「食道楽」
...○文教局長主催の座談会席上にて彰化市の籃蒸(ナンスーン)を示しつつこういうものを普段平気で使いこなすその生活の幅...
柳宗悦 「台湾の民藝について」
...熊谷でも光秀でも立派にこなすこの座の大黒柱...
山本笑月 「明治世相百話」
...誰ものりこなす者がない...
吉川英治 「三国志」
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