...『鯡(にしん)、鱈(たら)、それから鰯(いわし)は、海や、陸や、空の貪食家の為めに、牧場に一ぱいになつてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...趙太爺は見れば見るほど癪に障って二三歩前に押し出し「出鱈目(でたらめ)もいい加減にしろ...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...泥棒はそれが出鱈目に教わったお経を読んでいるのだとは気がつきませんから...
宇野浩二 「でたらめ経」
...その血がてんでんに出鱈目の方向へ流れていたこと...
江戸川乱歩 「悪霊」
...黒瀬という名が出鱈目なのは勿論...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...君自身の「かよわい」善良さを矢鱈(やたら)に売込もうとしているようで...
太宰治 「風の便り」
...こんな日常倫理のうえの判り切った出鱈目を...
太宰治 「もの思う葦」
...出鱈目な人生の行路を独りとぼとぼと極めて無目的に歩いている人間...
辻潤 「ふもれすく」
...この出鱈目(でたらめ)が両々...
中里介山 「大菩薩峠」
...茂太郎の出鱈目(でたらめ)の歌と...
中里介山 「大菩薩峠」
...あんな出鱈目(でたらめ)を――よくまあ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...『藁麺麭(パン・ド・パイユ)』という出鱈目なものを捏ね上げて...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...其処らは矢鱈に垣根が結び廻してあって...
牧逸馬 「双面獣」
...出鱈目を云つてゐるのに気づいて言葉を呑み込んでしまつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...天狗の出没に関する事蹟が矢鱈に流布されて...
牧野信一 「心象風景」
...「汽笛(ふえ)を鳴らすと矢鱈(やたら)にモノスゴイが...
夢野久作 「難船小僧」
...矢鱈に他人に親切なもの...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...彼女の驚くべき出鱈目と言う事実が判明したと言うのであった...
夢野久作 「少女地獄」
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