...そのうちこっそりと外をのぞいてやろうと決心した...
海野十三 「三十年後の世界」
...こっそりとそこらの蛤の家に潜り込み...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...二人はこっそりとでなければ会えず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...こっそりと立去ってしまった者がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...そういうときには、まったく価値のない手伝いであるもう一人のいつもただ機械的に働いている従僕はわきに押しやって、ささやき声で、こっそりと、頭を部屋へ深く突っこんで、みずから部屋の人に説得し始める...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...こっそりと君の耳の穴にその訳を話してやろう...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...リーナにたいする山川家の扱いは、見せかけほど冷酷なものではなく、内実は、困らぬだけのものを、毎月、こっそりと届け、恩恵で縛りつけておいた...
久生十蘭 「蝶の絵」
...雪隠(せっちん)でこっそりと饅頭を食うようなケチなことをしないのが安部の本領なので...
久生十蘭 「予言」
...こっそりと食べものや情報を運んでいたが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...こっそりと私はまだ明るい町へ抜け出した...
水上滝太郎 「山の手の子」
...この一年間に人民に対する抑圧とアジアの解放を妨げる仕事がある時はこっそりと...
宮本百合子 「新しいアジアのために」
...命のひびを治すのに横着にも私はこっそりと煙草をのんでひびが一日ずつ治ってゆくのを...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...お春に隠してこっそりと帯〆だの半襟のような小物を買うてやるのだったが...
矢田津世子 「女心拾遺」
...とおっ母さんはこっそりと独り言を云うて仏壇へお燈明をあげる時も内儀さんがもう仏様にでもなったつもりでお念仏を唱えている...
矢田津世子 「神楽坂」
...こっそりとリヤカーに積んで...
夢野久作 「巡査辞職」
...こっそりと黴(かび)の咲いている闇の中を楽しんだ...
吉川英治 「銀河まつり」
...そして、その一つ一つの小屏風のうちへ、四家の大名に分れて同じ境遇にある我が子や、友や、また故郷(ふるさと)の母や、兄弟が、夢になって、こっそりと、忍びこんだ...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...こっそりと挙げるがよい...
吉川英治 「源頼朝」
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