...こちらの胸には一杯に溢れて來るものがある...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...こちらに耳打ちした...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...こちらも応じなくてはならないが...
梅崎春生 「幻化」
...きみはいったい何者だ」こちらはもう震え上がっているのだけれど...
江戸川乱歩 「影男」
...そいつが、長いツノをふりたてて、グッと、こちらへ、ふりむきました...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...特にこちらでその機会をつくり...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...こちらは思わず機械的に...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...中程に一つぽかんと口を開いてる私の寝台の、すぐ上の段のカーテンの裾のところから、こちら向きに、人の足がぶら下っていた...
豊島与志雄 「足」
...こちらの母に来て貰えまいか...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...こちらは少々の手わざ足芸でうまく要領を外したという取柄があるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...こちらにご飯粒が落ちていたりするようでは...
羽仁もと子 「女中訓」
...寸詰(すんづま)りのモオニングを着た五尺未満のチョビ髯の紳士はこちらが述べる用向きを途中から引ったくって...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...車をこちらへ寄せさすから...
堀辰雄 「ほととぎす」
...こちらにはホルモンがある...
三好十郎 「恐怖の季節」
...こちらのはまだ莟(つぼみ)がずっと小そうございます」「出かけに急いだもんですから...
森鴎外 「安井夫人」
...「そのとき、こと面倒で片づけたのがいかなかった」と安芸は続けて云った、「こちらがへこんだとみたのであろう、こんどは小里村、赤生津の二カ所で地境を侵しはじめ、また、深谷でも大窪村の西にある田地十町あまりを、若生(わこう)半右衛門に分与した、――これはあまりに涌谷をふみつけにした仕方だ、こちらの領分を、式部の欲のために削り取ったというだけならまだよい、けれども、さらに二カ所で地境を侵し、かすめ取った土地を他の人間に与えるということは、もはや単なる欲のためではなく、涌谷を嘲弄(ちょうろう)するものだといわなければならない」そうではないか、と安芸は甲斐を見た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...月給の力を出来るだけこちらに注ごうと試みていることは事実である...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...もう今ではこちらが中毒のフラフラ気味です...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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