...何も然う狐鼠々々(こそこそ)相談せずと...
石川啄木 「病院の窓」
...こそこそとそこらの物蔭に紛れ込んでしまつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...あいつらは喜んであのスクーナー船でこそこそ逃げて行ってしまうでしょうよ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...その女が送つて来てゐる待合のお上(かみ)らしい年増とさびしさうにして何かこそこそ話してゐるのが眼に着いたが...
田山録弥 「犬」
...こそこそ こそこそ ささやき声がおこった...
壺井栄 「二十四の瞳」
...次にテーブルを囲んだ人々の環を伝わって卓の下でこそこそと品物が廻される...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...こそこそと家へ上って...
徳田秋声 「足迹」
...いろりの横で何やらこそこそやっているので...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...萎(しお)れて二階へ狐鼠々々(こそこそ)と帰ッた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...こそこそ、まるでさもしい盗人のようで、今にもけちなことをしでかしそうだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...弟や妹が自分の知らない英語ばかりこそこそ勉強しているのを彼れはさも目障(めざわ)りでならぬといったような口調で話した...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...白足袋がこそこそと横町に曲るのを見送って...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...やや暫(しばら)くなにかこそこそ囁(ささや)いていた...
山本周五郎 「思い違い物語」
...こそこそ耳うちをしたり...
山本周五郎 「おれの女房」
...野営にこそこそはいりこんできた毛むくじやらなもの...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...長崎では詰まらぬ商人(あきんど)宿に燻ぶっている狐鼠狐鼠(こそこそ)仲買に過ぎなかった...
夢野久作 「名娼満月」
...こそこそ運び去ったのだろう」「ええ...
吉川英治 「平の将門」
...一本だけ点けた懐中電灯の光をこそこそと壁に向けてみた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索