...田圃(たんぼ)のここかしこに...
有島武郎 「或る女」
...その手前の広い雪の野のここかしこにむら立つ針葉樹の木立ちや...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...澄み切った青空のここかしこに屯(たむろ)していた...
有島武郎 「親子」
...市街のここかしこに立つ老いた楡(にれ)の樹を見るごとに...
有島武郎 「星座」
...草や灌木で殆ど隠されていることもある小径を歩き廻り、ここかしこに、最も不規則な方法に配置されたアイヌの小舎を見出すことは、この上もなく興味が深かった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...町は奇麗に掃いてあり、所々に美しい花のかたまりや、変った形をした矮生樹が川に臨み、ここかしこには、鄙(ひな)びた可愛らしい歩橋が架けてあった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...ここかしこに山桜や山吹が咲きこぼれ...
上村松園 「北穂天狗の思い出」
...その光は森の幾分開けた箇処を通してここかしこに広く注ぎ始めた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...杉(すぎ)の木の多い峰のここかしこに点々として...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...露の身はここかしこにてきえぬともこころはおなじ花のうてなぞ鳥羽の南の門から川船に乗って下ることになった...
中里介山 「法然行伝」
...ここかしこに白き薔薇(ばら)が暗きを洩(も)れて和(やわら)かき香(かお)りを放つ...
夏目漱石 「薤露行」
...木槿(むくげ)かと思われる真白な花もここかしこに見られた...
夏目漱石 「初秋の一日」
...ここかしこに枝を辞したる古い奴(やつ)ががさついている...
夏目漱石 「野分」
...そしてここかしこに赤い屋根だの草屋根だのを散らばらせながら...
堀辰雄 「美しい村」
...今日ここかしこにあって社会科学がマルクス主義によって着々業績を挙げつつあるとき...
三木清 「科学批判の課題」
...ただここかしこに意味ありげな赤い火の光が見えるばかりだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...嶺の路ここかしこに壊(やぶ)れたるところ多かりしが...
森鴎外 「みちの記」
...ここかしこに溺るる者...
吉川英治 「三国志」
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