...こうして進むうちにも...
海野十三 「宇宙戦隊」
...あなたとこうしているのが...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...こうしてやりたい……(拳固(げんこ)でおどす)アーニャ (ワーリャを抱いて...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...こうして、お銀様の周囲には、あらゆる参考書と、それから選び出され、或いはそれを聯想して浮び出でた人名が、筆に伝わって、六寸の小木片の上に走ります――いったい、かような異常な昂奮によって、お銀様に選び出されて、その筆端に載せられている、有縁無縁(うえんむえん)の三界の亡霊というは果して何者?それは狂熱的、昂奮的、反抗的であることは勿論だが、そのうちに、冷静なる史的根拠と、お銀様独断の順序が、一糸乱れずに存在していることはいるらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...ねえ、宇津木様、どうかして頂戴、この大枚のお金を――わたし、あなたに、すっかりお任せしてしまいますから、煮て召上るなり、焼いて召上るなり……」「うむ」「ねえ、あなた、これだけあれば、あなたとわたしと二人で、日本中の名所見物をして歩いても不足はありませんわね」「ばかなこと」「加賀の金沢か、越中の富山あたりへ、小ぢんまりした世帯(しょたい)を持てば、一生遊んで暮して行けやしないこと」「ふーん」「また、これから白山へ行く途中には、白水谷(はくすいだに)だの、畜生谷なんて、名前はいやなところですけれども、どんな悪人でも隠れて一生安楽に暮せる里があるって言いますけれど……わたし、それは御免を蒙(こうむ)りたいのよ、いかに暮しよくっても、そんなところで一生を埋めてしまってはまだかわいそうよ……ですからね、宇津木さん、こうして頂戴、加賀の金沢というところは百万石の御城下でしょう、何はともあれ、二人してあすこへ落着きましょうよ、そうして、わたしは自前(じまえ)で暢気(のんき)にこの商売をしますから、あなた兄さんになって頂戴――これだけ資本(もとで)があれば、立派に自前で通して、あなた一人を過すことなんぞは、憚(はばか)りながらわたしの腕で朝飯前よ」「まあ、何でも君のいいように使い給え、君には授かりものかも知れないが、拙者には用のない金だ」「あら、また、あんな小憎らしいことをおっしゃる、こういう御縁になってみれば、わたしのものはあなたのもの、あなたのものはわたしのもの、でもあなたが見るのもおいやとおっしゃるなら、わたし、もう、とても重くってやりきれないから打捨(うっちゃ)ってしまいますよ」「では、とにかく、道中だけは拙者が預かろう」「嬉しい」「では出立いたそう」「どうしてあなた、そんなにお急(せ)きになるのよう、前に日限のある身ではなし、あとから追手のかかる旅でもないのに、もっと落着いていらっしゃいな...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうして、自分の家を持つと、引越しする権利がなくなった...
野村胡堂 「胡堂百話」
...こうして、賃銀奴隷は最後まで、人間でありたいという希望と努力を挽き砕かれて、無機物か何ぞのように、ブルジョア文化の路傍へほうり出されるんだ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...こうして事件は消えてしまい...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...こうして窓ぎわに一人きりで何んということなしに物思いに耽(ふけ)っていると...
堀辰雄 「菜穂子」
...こうしてこしらえた黄いろな糸が小屋に半分ばかりたまったころ...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...こうして、くつろいで、原っぱの上に濃くおりている夜霧や、その夜霧を劈いて流れている工事場の電燈の光の色やを思い出すのも愉しい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こうしているのでがす...
三好十郎 「斬られの仙太」
...「ただ今はこうして御閑散なのですから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こうして半分は無口になり...
柳田国男 「故郷七十年」
...こうして苦心惨憺して三年前に脱獄してからというもの...
夢野久作 「継子」
...こうして加茂の一角で勝った...
吉川英治 「私本太平記」
...こうして半兵衛重治は...
吉川英治 「新書太閤記」
...こうして結ばせているのであると思って...
吉川英治 「親鸞」
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