...ポスタアの近所にいた河童はことごとくげらげら笑い出しました...
芥川龍之介 「河童」
...大声を上げていつまでもげらげらと...
有島武郎 「星座」
...げらげらと笑いだしたのである...
海野十三 「太平洋魔城」
...げらげらする怪鳥(くわいてう)の寝声(ねごゑ)をまねきよせる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...今度の狐もやっぱり似とりますわいの」と言ってげらげらと初やが笑う...
鈴木三重吉 「千鳥」
...げらげら笑っているが...
太宰治 「花燭」
...おほつぴらにげらげら笑つて...
太宰治 「道化の華」
...そうして声をあげてげらげら笑った...
寺田寅彦 「柿の種」
...その時与次郎はげらげら笑って...
夏目漱石 「三四郎」
...げらげら笑ひながら...
林芙美子 「浮雲」
...そして、奇妙な喧嘩をながめて、げらげら笑った...
火野葦平 「花と龍」
...顔に、庖丁で、二つ三つ、傷でも、こさえとかにゃあ」小方たちは、そんなことをいいあっては、にぎやかに、げらげらと、笑った...
火野葦平 「花と龍」
...眼尻を下げてひとりげらげら笑いつづけていた...
本庄陸男 「白い壁」
...げらげら笑ひながら馳けて行つた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...げらげら笑っているのに気づいた...
山本周五郎 「青べか物語」
...「こんな暮しは御免だ、飽き飽きした、……おふくろはいつもそう云ってた、満足に食いてえ物も食えねえ、着てえ物も着られねえ、おまえさんなんかと一緒になるンじゃアなかった、……こいつを口癖のように云った、いつも頭が痛え、腰が痛え、眩暈(めまい)がする腹がやめる、疲れて起きられねえから、おまえさん起きて釜の下を焚きつけて呉れ、……そして、そのくせ夜中になれば、父をそっと寝かしたこたアねえ、むりむてえかかってくんだ、否も応もねえ、むりむてえ、文句なしなんだ、……たまには父もいやだでとおすことがあった、誰にだって、どんなに強くったって、そこは男は女たア違う、どういきんでもいきみきれねえ時があらア、……知れたこッたが無事にゃアおさまらねえ、おれの口じゃア云えねえような悪態だ、帝釈(たいしゃく)様も耳を押えたくなるような悪態の始まりだ」「女はつまらねえもんだ、まるで下女下男みてえだ、……これがおふくろのもう一つの口癖だった」彼はひと口飲んで続けた、「男は外で勝手な事をする、ちっとばかりの稼ぎで酒も飲む、隠れて悪遊びもするが、女は家にひっこんでぼろの縫い繕い、煮炊き洗濯、子供の世話から暮しの心配から、いやな事はみんな女の役だ、下女下男なら給銀てえものがあるが、女房にゃアそれもねえ、働きどおし働いて、これッぽちも楽しい思いをしねえで、亭主にこき使われ、牛馬のように一生を終ッちまう、これが女の一生だ、……ああ、……だがおらあ知ってるんだ、おらあ、……この眼で見て、この耳で聞いて知ッてるんだ、おふくろは父が稼ぎに出るとのこのこ起きだして来る、父の炊いてった飯を食う、それから近所の嬶たちを呼ぶか、こっちから押掛けるかして、十文が菓子を買ってがぶがぶ茶を飲みながら、……緞帳(どんちょう)芝居の役者評判か色噺(ばなし)か、近所合壁(がっぺき)の悪口が始まる、……恥も外聞もねえような、男も顔が赤くなるような下劣なことを饒舌って、げらげら笑って、しめえにゃアてんでんが、てめえの亭主を裸にするようなことをぬかしゃアがる、……嘘アつかねえ、おらあこの眼で見た、この耳で聞いた、おらあちゃんと知ってるんだ」「父はいい人間だった」ひと息いれて松は話し継いだ、「――おふくろになんと云われても、決して口答えはしなかった、……済まねえ、おれに甲斐性(かいしょう)がなくッて申し訳がねえ、もうちっとだから辛抱して呉んねえ、……だが旦那、父だって人間だ、一寸じゃねえかもしれねえ、五分ぐれえかもしれねえが、五分の虫にだって二分五厘の魂はあらア、たまにゃあむしゃくしゃして肚(はら)も立つだろう、やけくそなような気持にだってなるこたアあらア、……稼いでも稼いでも、正直一方でこすい事が出来ねえ、いつも下積みでうだつがあがらねえ、女ア知らねえから外で勝手なまねをしていると思ってる...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...――かれらのげらげら笑い囃(はや)す声と...
山本周五郎 「契りきぬ」
...――すると、まだ苫(とま)の下に潜りこんでいた他(ほか)の浪人者二人が、げらげら笑って、「黒衣を着こめば、おれ達悪党も、三舎(しゃ)を避けるお燕ちゃんだが、女に返ると、やっぱり女だから妙なものだ...
吉川英治 「大岡越前」
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