...「けちな野郎だ、なア?」お貞はこう言って、吉弥を慰めた...
岩野泡鳴 「耽溺」
...けちな野郎ばかりだ」城介はぼやきながら...
梅崎春生 「狂い凧」
...ちぇ、けちな野郎だ、十一文がそんなに惜しいかよ、血相かえて騒いでいやがる、貧乏役人は、これだからいやだ、銭がそんなに欲しかったら、こっちからくれてやらあ、なんだい、たかが十文か十一文、とむらむら、れいの気前のよいところを見せびらかしたくなって来て、自分の腹掛けから三文ばかりつかみ出し、「あった!」と叫んだ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...甚(はなは)だけちな野郎であることを...
中里介山 「大菩薩峠」
...存外けちな野郎だと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...けちな野郎が大きなつらのできる世のなかだ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...見かけはけちな野郎だが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...己はなんというけちな野郎だろう...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...T「けちな野郎達たァ交際い度かあ御座んせん」ウヌッと抜き討ちに斬って来る主膳の刃をヒラリとかわしてお小夜...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...けちな野郎で御座います」湯をくむお静「昼間の男だ」と気付く...
山中貞雄 「森の石松」
...けちな野郎でございます...
吉川英治 「新・水滸伝」
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