...しかはあれども、そがなかに、行(おこなひ)清きたゞひとり、きぬもけがれと、はだか身に、出でゆきしより、けふまでも、あだし「想」の姉妹(おとどひ)と道(みち)異(こと)なるか、かへり来(こ)ぬ――あゝ行(ゆ)かばやな――汝(な)がもとに...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...汚垢(けがれ)によりて成りませる神なり...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...黄塵にけがれたる衣を江上の清風に振ひ...
大町桂月 「北總の十六島」
...この行者女にゆきあへば身(み)のけがれとして川に入り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...けがれ払(ばら)いのお祈りをなすって...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...俺はリン病やみのけがれた身体なのだ...
高見順 「いやな感じ」
...産婦をけがれとして別火せしめた同じ思想が...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...淡路の古老の云ふやうに人形が殉死に代るけがれたものとする思想からすれば...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...内は死人の骨とさまざまの穢(けがれ)とに満つ...
太宰治 「駈込み訴え」
...また豚是は蹄わかるれども反蒭(にれはむ)ことをせざれば汝らには汚(けがれ)たる者なり...
太宰治 「正義と微笑」
...その中に淀める汚濁(けがれ)を浄めよ...
田山録弥 「J. K. Huys Mans の小説」
...熱烈にキリストの理想を信じていたのさ! これでも不幸ではなかろうか? もしもあの『けがれた幸福のためのみの権力に渇している』軍隊の頭に...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...兵馬は純良な少年である――まだ世の塵(ちり)にけがれない真白い頭へうつった優しい人の影は...
中里介山 「大菩薩峠」
...けがれた事をしてゐる時は神聖なものの事を口にしたり...
長與善郎 「青銅の基督」
...日本海軍の汚(けがれ)のない歴史である...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...8940気味の悪い黒血の汚(けがれ)を洗うのだから...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一同は穢(けがれ)を厭(い)み...
吉川英治 「新・水滸伝」
...罪人のけがれた金を受けて富もうとは思わぬ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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