...ぐしゃりと踞(しゃが)んでいる...
泉鏡花 「怨霊借用」
...飾(かざり)の鳥には、雉子、山鶏(やまどり)、秋草、もみじを切出したのを、三重(みえ)、七重(ななえ)に――たなびかせた、その真中(まんなか)に、丸太薪(たきぎ)を堆(うずたか)く烈々と燻(く)べ、大釜(おおがま)に湯を沸かせ、湯玉の霰(あられ)にたばしる中を、前後(あとさき)に行違い、右左に飛廻って、松明(たいまつ)の火に、鬼も、人も、神巫(みこ)も、禰宜(ねぎ)も、美女も、裸も、虎の皮も、紅(くれない)の袴(はかま)も、燃えたり、消えたり、その、ひゅうら、ひゅ、ひゅうら、ひゅ、諏訪の海、水底(みなそこ)照らす小玉石、を唄いながら、黒雲に飛行(ひぎょう)する、その目覚しさは……なぞと、町を歩行(ある)きながら、ちと手真似で話して、その神楽の中に、青いおかめ、黒いひょっとこの、扮装(いでたち)したのが、こてこてと飯粒をつけた大杓子(おおしゃくし)、べたりと味噌を塗った太擂粉木(ふとすりこぎ)で、踊り踊り、不意を襲って、あれ、きゃア、ワッと言う隙(ひま)あらばこそ、見物、いや、参詣の紳士はもとより、装(よそおい)を凝らした貴婦人令嬢の顔へ、ヌッと突出し、べたり、ぐしゃッ、どろり、と塗る……と話す頃は、円髷が腹筋(はらすじ)を横によるやら、娘が拝むようにのめって俯向(うつむ)いて笑うやら...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...ぐしゃっと潰れたようなみじめな顔付で...
梅崎春生 「Sの背中」
...ぐしゃり!ぐしゃりとしたものが...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...或(あるい)は仮(かり)に愚者(ぐしゃ)が自分(じぶん)の位置(いち)を利用(りよう)して貴方(あなた)を公然(こうぜん)辱(はずか)しめて置(お)いて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...ぐしゃぐしゃにこわして...
太宰治 「斜陽」
...少し笑って私を見送り急にぐしゃと泣いた...
太宰治 「俗天使」
...やはりぐしゃりというんだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...一度にぐしゃりと潰れるまでである...
豊島与志雄 「春」
...愚者(ぐしゃ)が己(おのれ)について知るほうが多いものゆえ...
中島敦 「悟浄出世」
...ぐしゃっといかずにすむからですよ...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...強力な大ハサミで頭をぐしゃっと砕くと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...ぎぐしゃく紹介状を書いて私に手渡した...
前田河広一郎 「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」
...五月になってもたびたび霙(みぞれ)がぐしゃぐしゃ降り...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...ぐしゃぐしゃに潰れた女の首...
山川方夫 「恐怖の正体」
...竹造はぐしゃぐしゃになった手拭で額を拭き...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...涙は子供の頬をぐしゃぐしゃに濡らすが...
山本周五郎 「季節のない街」
...女は不伝を、町方とでも思ったか、顔いろを変えて、すぐしゃべった...
吉川英治 「大岡越前」
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