...くぼんだ所は鼠色(ねずみいろ)の影をひいている...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...漸くに測る事が出来る程深く陥ちくぼんだ穴になつて居り...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...どこかくぼんだ穴の中におちこんでほえているのじゃなかろうか」「ほえているのは...
海野十三 「恐竜島」
...ふかくくぼんだ手のひらに...
大手拓次 「藍色の蟇」
...どんなにおそるべき深淵にそれは見えたことであろう!『高まる丘陵がそびえる高さだけそれだけ低くくぼんだ底は沈んだ――広く...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...眼が落ちくぼんだのかも知れない...
太宰治 「正義と微笑」
...額(ひたい)の狭い、眼のくぼんだ、口の大きい、いかにも精力的な顔をしていた...
太宰治 「花火」
...ところどころにくぼんだ谷があるので始めてわかる...
寺田寅彦 「写生紀行」
...」一本の灌木(かんぼく)もなく一片の苔(こけ)もないくぼんだ道があった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その白い頭髪、老衰した顔、禿(は)げ上がって皺(しわ)寄った大きな額、深くくぼんだ目、驚いてるような開いた口、赤旗をささげてる年取った腕、それが闇(やみ)の中から現われて、炬火(たいまつ)のまっかな光の中に大きく照らし出された...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ボクンとくぼんだ眼玉がギョロリとしていて...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...その向こうの角のくぼんだおし入れのような所にわたしの寝台があって...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...それにくぼんだ頬の上のところは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
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宮本百合子 「悲しめる心」
...くぼんだ眼はおちつきなく...
山本周五郎 「さぶ」
...僅かな時間でその眼も頬もぐっと落ちくぼんだようにみえた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...痩せた頬、くぼんだ眼、半白の山羊(やぎ)ひげをなびかせた老後の風采は少々仙骨を帯びた工合、といっていわゆる名人肌の奇行などは微塵も聞かず、平素もきちんとした羽織袴で技術に専心...
山本笑月 「明治世相百話」
...「ふびんな娘たちよ……」合歓(ねむ)の花は世阿弥のくぼんだ眼からポロポロと涙を呼んだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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