...A兄くたびれたろうな...
有島武郎 「片信」
...着たのはくたびれた浴衣だが...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...「見たのだ」「だろう」賢次もにやりとして、「おかっぽれだな」「人間と判っとるなら、おかっぽれかも判らないが、それがへんだよ」「どうしたのだ」「それがおかしいのだ、まだ寒い時、俺(おいら)が今往ってた榎(えのき)の傍を通ってると、二十七八の上品な佳い女が通ってたのだ、夜一人で通ってるから、どこかそのあたりの人だろうと思っていると、鵜(う)を見た日なんだ、くたびれたから、休んでると、へんな奴が二人来て、俺(おいら)を盗人(ぬすっと)が午睡(ひるね)してると云うから、撲(なぐ)りつけて諍闘(けんか)になったところへ、その女が来て仲裁してくれたのだ、それで俺は八幡様を出て来たものの、その女の素性(すじょう)を確めようと思って、引返してみると、女はいないで、諍闘の時にいた社務所の爺さんが、拝殿の横に腰をかけて、仮睡(いねむり)してたから、聞いてみると、あれは水神様だ、人間じゃないと云うのだ、それだよ、夢に出て来たのは」「君んとこは、すこしへんだぜ、蛇が出て来たり、蟻(あり)の塔が出来たり、どうかしてるのじゃないか、神様が出て来て諍闘の仲裁なんかするものか」茶かすつもりであった詞(ことば)の端(はし)に何か神秘的なものがつながった...
田中貢太郎 「春心」
...ふりかえり見し父中将は「くたびれたじゃろう...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...待ちくたびれたすべての客は...
中里介山 「大菩薩峠」
...だいぶくたびれたので...
林芙美子 「お父さん」
...くたびれた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「もうくたびれたからやめる」と...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...待ちくたびれた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...「くたびれたと見えるな」と誰かが云った...
本庄陸男 「石狩川」
...くたびれた」「でも...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...きょうも二時間近く歩きまわって足がくたびれただけというのは実におどろくべきことです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...くたびれた顔していたのでしょう? でもね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...くたびれた背広を着...
山本周五郎 「青べか物語」
...くたびれたか」「いいえ……べつに」「おお...
吉川英治 「大岡越前」
...――暇あれば、武技を練り、山野に狩猟して、心身を鍛えていたが、その日も、わずかな従者をつれて、伏牛山(ふくぎゅうさん)に一日を狩り暮し、「ああ、くたびれた」と、中腹の岩に腰かけて、荘厳なる落日の紅雲をながめていた...
吉川英治 「三国志」
...又四郎ですらくたびれた程なので...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...にんじんは待ちくたびれた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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