...くたびれた足をのばしながら...
芥川龍之介 「軍艦金剛航海記」
...「いや、大変なことがあった、お前さんの言った通りだ」「そうだろうとも、ぜんたいどんなことがあったね」「どんなことって、湖西に行って尋ねたが、判らないので、帰ろうと思って、あの湖心寺の前まで来たが、くたびれたので、一ぷくしようと思って、寺の中へ行ってみると、西の廊下の行き詰めに、暗い室があるじゃないか、何をする室だろうと思って、覗いてみると、棺桶があって、それに故奉化符州判の女麗卿の柩と書いてあったのだ、麗卿とはあの女の名前だよ」「じゃ、その女の邪鬼だ、だから言わないことか、お前さんが骸骨と抱き合っているところを、ちゃんとこの眼で見たのだもの」「えらいことになった、どうしたらいいだろう、それにあの女の連れてくる婢も、藁人形だ、牡丹の飾の燈籠もやっぱりあったのだ、どうしたらいいだろう」「そうだね、玄妙観へ行って、魏法師に頼むより他に途がないね、魏法師は、故(もと)の開府王真人(おうしんじん)の弟子で、符(かじふだ)にかけちゃ、天下一じゃ」喬生は家へ帰るのが恐ろしいので、その晩は老人の許へ泊めてもらって、翌日玄妙観へ出かけて行った...
田中貢太郎 「牡丹燈記」
...「ああくたびれた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...ほんにくたびれたわい...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...そしていいかげんにさめた湯船にどつぷりとつかつてくたびれた足を楽楽とのばした...
中勘助 「銀の匙」
...すつかりくたびれたところへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...くたびれた」と女は大きな溜息をついて...
原民喜 「災厄の日」
...やれくたびれた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「くたびれたと見えるな」と誰かが云った...
本庄陸男 「石狩川」
...今日も昼からつづけさまに書いて居るので大分くたびれたから...
正岡子規 「ランプの影」
...くたびれたときなんぞ...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...かれも犬たちもくたびれた様子がなかった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...そうじゃない」と去定はくたびれたように呟いた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...考えくたびれたところなんです」「私たちのことをかい」「いろいろなこと」と云って...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「ああ、くたびれた...
吉井勇 「酔狂録」
...くたびれたか」「いいえ……べつに」「おお...
吉川英治 「大岡越前」
...「くたびれたのだろ」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
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