...火のやうに熱い涙が二粒三粒ほてり切つた頬を軽くくすぐるやうにたら/\と流れ下つたと思ふと...
有島武郎 「お末の死」
...その物象の言葉が私の肌をくすぐる...
太宰治 「玩具」
...ぼくのからだをくすぐるのをやめ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かき」
...この肉体をくすぐる...
豊島与志雄 「自由人」
...くすぐるべき急所でないところをくすぐるのは国際法に反している...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵太郎君の頭にぺしゃんとはりついた耳をくすぐる...
新美南吉 「久助君の話」
...あたかも子供に戯(たわむ)れてくすぐる時は「叔父(おじ)さんいやだ」といいながらも...
新渡戸稲造 「自警録」
...」彼は女の頤の下をくすぐるやうな積りで牛の頤を摩(さす)った...
原民喜 「牛を調弄ふ男」
...幾人が横腹に泥靴を喰い肉を裂き血にむせびつつ虚空を掴むだか……警察の調書と暗黒裁判の判決書を結党の焔もて焼きすてろ!地主の倉と立入禁止の立札を結党の焔もて焼きすてろ!出兵要求権を兵卒の銃剣でくすぐる日まで罷業権は血に塗れて進まねばならぬ...
波立一 「結党の焔」
...眼をくすぐるような都雅な色彩に接しようなどとは思っていなかった...
久生十蘭 「南極記」
...人にくすぐるやうな感覚を与えるのさ...
牧野信一 「爪」
...こんどこうなってくると君たちの泣きどころを僕らがくすぐることになるわけだろう...
三好十郎 「猿の図」
...腰を掛けてゐるベンチの背中の木彫の天使の腮(あご)をくすぐると見えて...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...ただ面白く易しくてわたしをくすぐる書物か...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ある種の快楽の中で出あう・そして単なる健康や無痛の上に我々を引き上げるように思われる・あのくすぐるような刺激も...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わたしの想像(こころ)をずっとやさしくくすぐるのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...戦車には彼の子供っぽい夢をくすぐるものがあった...
山川方夫 「その一年」
...」千鶴子のくすぐるように云う微笑を久慈は臆せずにやにやして...
横光利一 「旅愁」
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