...その唯一(ゆゐいち)の大(おほ)株主たるジユウル・ルナアルが持株すら僅々(きんきん)四株に過ぎざりしとぞ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...明治二十二年の統計表に依れば全国において途上発病または饑餓にて死せしものは僅々(きんきん)千四百七十二人なり(消化器病にて死せしものは二十万五千余人なり)...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...電車の窓までの最短距離は僅々(きんきん)五十メートルしかなかったのだった...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...僅々(きんきん)二三十秒の惶(あわただ)しい出来事であった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...僅々(きんきん)八九ヶ月の間柄ではあったが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...祖先以来辛苦経営して蓄積したところの富を僅々(きんきん)四年の間に失ってしまった...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...首を絞められたようなきんきんした笑いで...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...それを僅々(きんきん)数時間あるいはむしろ数分間の調査の結果から...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...燃ゆるがごとき憤嫉(ふんしつ)を胸に畳(たた)みつつわが寓(ぐう)に帰りしその夜(よ)より僅々(きんきん)五日を経て...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...近々(きんきん)博士論文を出すんだそうで……」小夜子は銀時計すらいらぬと思う...
夏目漱石 「虞美人草」
...「実はこの着物で近々(きんきん)都落(みやこおち)をやるんだよ...
夏目漱石 「明暗」
...どうやらこうやら父から出資させる事になって老爺さんは欣々(きんきん)と勇んだ...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...近々(きんきん)出立とて私方に告別に参り...
福澤諭吉 「福翁自伝」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...私の記憶に残っている現存者は僅々(きんきん)左の十数氏に過ぎない...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...僅々(きんきん)二箇年の間に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...まして静かな夜(よ)となれば小(ちさ)い花子が面白いお伽噺を読む側で月はきんきん黄金(きん)の色虫はりんりん鈴の声...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...しかし一度出入りした以上どこかに入口が無ければならないのみならず僅々(きんきん)数分時間の間に行われた行為とすると...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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