...その世界的野心を遂ぐるに汲々(きゅうきゅう)たる者は無い...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...歩くときゅうきゅう音のする仙台平(せんだいひら)の袴姿であったが...
寺田寅彦 「追憶の医師達」
...世のいわゆる慈善家・道徳家・博愛家の丹心より出でずしてかえってかのただ利これ汲々(きゅうきゅう)たるの商人より出でたることを見て...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...国家という上級の形へ移るのにきゅうきゅうたるありさまで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...その相手を捜し出すことにきゅうきゅうとしていて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...家のうしろでなに鳥かきゅうきゅうと鳴く...
中勘助 「島守」
...仕方がありません」隠居は窮々(きゅうきゅう)として受身である...
中里介山 「大菩薩峠」
...急々如律令(きゅうきゅうにょりつれい)……山谷(さんや)を漕ぎだすと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ただ一身の苟安(こうあん)を冀(こいねが)うに汲々(きゅうきゅう)たる有様を見ては...
福田英子 「妾の半生涯」
...漸(ようや)くかの私欲私利に汲々(きゅうきゅう)たる帝国主義者の云為(うんい)を厭わしめぬ...
福田英子 「妾の半生涯」
...一念その身の栄耀(えいよう)に汲々(きゅうきゅう)として借金賄賂(わいろ)これ本職たるの有様となりたれば...
福田英子 「妾の半生涯」
...きゅうきゅうむごい目を見せてやりたいのです」「それ真剣か?」「真剣ですとも――本気ですとも――」「ふうむ」と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ただ一身の栄利に汲々(きゅうきゅう)としておる状(さま)は...
吉川英治 「三国志」
...自分たちの特権を汲々(きゅうきゅう)と守ることしか知らぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...私利私慾の営みに汲々(きゅうきゅう)とし...
吉川英治 「新書太閤記」
...身の栄達に汲々(きゅうきゅう)たる――文字どおりの犬でござる...
吉川英治 「新書太閤記」
...それでも思わぬ誤謬や不備を指摘されてきゅうきゅういわせられたことが幾度あったことかしれない...
吉川英治 「親鸞」
...自己の栄耀(えよう)にのみ汲々(きゅうきゅう)としている実相(さま)が...
吉川英治 「親鸞」
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