...きゃしゃな足から血がながれて...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「人魚のひいさま」
...きゃしゃなテーブル...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...彼は古本屋らしくない、きゃしゃな、若い男だったが、細君の死骸を見ると、気の弱い性質(たち)と見えて、声こそ出さないけれど、涙をぼろぼろ零(こぼ)していた...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...そしてきゃしゃな指さきに露の滴るような花束をとり上げて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...私はお母さまの軟らかなきゃしゃなお肩に手を置いて...
太宰治 「斜陽」
...手足のきゃしゃな色の白い娘であった...
田中貢太郎 「雪女」
...きゃしゃな綺麗な顔をした...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...芝居の子役か雛妓(おしゃく)の手のようなきゃしゃな青白い指先が狡猾に働いて...
谷崎潤一郎 「少年」
...きゃしゃな、象牙(ぞうげ)のような指を持った、ぎゅっと抱きしめたら撓(しな)って折れてしまいそうな小柄な綺羅子は、舞台で見るよりは遥(はるか)に美人で、その名の如(ごと)く綺羅を極めたあでやかな衣裳に、緞子(どんす)と云うのか朱珍(しゅちん)と云うのか、黒地に金糸と濃い緑とで竜を描いた丸帯を締めているのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...と云うのは、その顔のまん中には、いかにも形のよい、きゃしゃな、薄手な、貴族的な鼻が附いているのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...もっときゃしゃな体の持主で...
徳田秋声 「挿話」
...いくらなんだって、この交通の杜絶(とぜつ)している白骨の奥へ、土地の案内者か、冒険者なら格別、弁信さんみたような、きゃしゃな人が、来られようとは思いませんが、日々日々(にちにちにちにち)に、そんな心持がして、これを書いている一行毎に、弁信さんの姿が、わたしに近づいて来る心持を、どうすることもできません...
中里介山 「大菩薩峠」
...そりゃどちらかと申せばきゃしゃなお手なんでげすが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その細いきゃしゃな頸首(えりくび)がくっきりした白さで...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...あのきゃしゃな畜生どもは...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...兼好は淡紅色(ときいろ)のきゃしゃな彼の足を折らないようにそっと持って...
吉川英治 「私本太平記」
...きゃしゃな女の手であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...もう一人のきゃしゃな体をしたおとなしそうな娘の...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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