...彼女は汽車の窓側(まどぎわ)にきちりと膝(ひざ)を重ねたまま...
芥川龍之介 「春」
...それともあの縞(しま)の御召(おめ)しか? ――兎(と)に角(かく)母は窓を後(うし)ろにきちりと膝を重ねた儘...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...紫縮緬(むらさきちりめん)ふッくりとある蒲団(ふとん)に...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...きちりと紫の結目(むすびめ)で...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...鸚鵡(おうむ)のような一羽の秦吉了(しんきちりょう)が飛んで来て棘(いばら)の上にとまって...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿英」
...吉林(きちりん)に行き...
田山録弥 「アカシヤの花」
...」とお糸(いと)は美しく微笑(ほゝゑ)んで紫縮緬(むらさきちりめん)の羽織(はおり)の紐(ひも)の解けかゝつたのを結び直すついでに帯の間(あひだ)から緋天鵞絨(ひびろうど)の煙草入(たばこいれ)を出して...
永井荷風 「すみだ川」
...書斎なども実に整然(きちり)と片付いていた...
夏目漱石 「こころ」
...肉は頬といわず顎といわずきちりと締まっている...
夏目漱石 「三四郎」
...こう万事がきちりと小さく整のってかつ光っていられては窮屈でたまらないと思う...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...第一須永が角帯(かくおび)をきゅうと締(し)めてきちりと坐る事からが彼には変であった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...硯箱(すずりばこ)や状袋(じょうぶくろ)や巻紙がきちりと行儀よく並んでいる傍に...
夏目漱石 「道草」
...お秀はやがてきちりと整った眼鼻を揃(そろ)えて兄に向った...
夏目漱石 「明暗」
...紫縮緬(むらさきちりめん)の錏頭巾(しころずきん)をかぶり...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...しかし服装はあまり大したものではなく普通の上等程度だったそうで……被布(ひふ)は紫縮緬(むらさきちりめん)に何かちらちらと金糸の刺繍(ししゅう)をしたもので...
夢野久作 「暗黒公使」
......
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...紫縮緬(むらさきちりめん)の丸頭巾であった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...唖(おし)かと案じれば唖のようにも思えるほどきちりと結んでいる唇は...
吉川英治 「親鸞」
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