...時々誰も坐らないのに籐(とう)のきしむ音をさせることもあった...
芥川龍之介 「夢」
...いすがきしむかすかな音と...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...ぎちぎちと松葉杖のきしむ音をたてて通りすぎた...
海野十三 「怪星ガン」
...ふしぎにもぎしぎしときしむのに気がついた...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...しずかにドアのきしむ音が聞え...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...畳のきしむほどに...
太宰治 「春の盗賊」
...……風が索具(リギン)を鳴らし、スクリューが動悸を打ち、波がざざっとぶつかり、釣床がきしむ...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...おんぼろ屋敷がきしむたびに片耳をそばだてた...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...あらゆる困苦を抱きしむることから信念がほとばしり出る...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...雪下駄の鋭くきしむ音も案外快く耳に響いた...
中谷宇吉郎 「雪の話」
...あまりひどくきしむので...
新美南吉 「丘の銅像」
...置床の臍(へそ)がきしむのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...土藏の戸前のきしむ音でなければなりません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...緑蔭倶樂部都のみどりば瞳(ひとみ)にいたく緑蔭倶樂部の行樂はちまたに銀をはしらしむ五月はじめの朝まだき街樹の下に竝びたるわがともがらの一列ははまきたばこの魔醉より襟脚きよき娘らをいだきしむ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...私は腕の汗が机にきしむので手拭を当てて仕事しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...体はまだ幾分きしむところがありますが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...骨がきしむほどの屈辱感を与えるのであった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...霜の降り始めた路の上で鳴りきしむ轍(わだち)の音――一俵千五百円で二十五俵を都合をつけてくれという闇師が...
横光利一 「夜の靴」
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