...そのがらんどうの一番奧二階だが...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...がらんどうになっていた...
海野十三 「超人間X号」
...中は何もないがらんどうだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...そのがらんどうの鎧がどうしてこんなに脈打っているのだろう...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...ちょうどわが家の庭そっくりのがらんどうが出来てしまっていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...客車の中は白塗りのがらんどうで...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...男が見たのはがらんどうの小屋だったというわけだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...としとったお母さん逝(い)ってはいけないとしとったお母さんこのままいってはいけない風にぎいぎいゆれる母子寮のかたすみ四畳半のがらんどうの部屋みかん箱の仏壇のまえたるんだ皮と筋だけの体をよこたえおもすぎるせんべい布団のなかで終日なにか呟(つぶや)いているお母さんうそ寒い日が西の方...
峠三吉 「原爆詩集」
...たった一人伽藍堂(がらんどう)のわが家に取り残すのもまた甚(はなは)だしい不安であった...
夏目漱石 「こころ」
...Kの室は空虚(がらんどう)でしたけれども...
夏目漱石 「こころ」
...室内はもちろんがらんどうで...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...その文化の直接の後継者がいなくなったがらんどうの空地のようなものである...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...がらんどうな家の片隅に...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...このだだっぴろい建物ががらんどうであることと孤立無援の状態を思い出し...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...やさしく彼の肩をたゝいて「お休み」と言った伊藤の故郷は「寒流」の流れるうすらさむい里だ彼は荒れすさんだ心の大陸の廃墟へ帰って行った敗北の竪琴は彼のがらんどうな胸の中でぶーんぶーんと横っちょに揺れながら「サヴェートになったら帰っておいで」と彼に告げた5 工屋戦二同志工屋戦二―――この若い労働者はわたしらに...
槇村浩 「人民詩人への戯詩」
...草むらの底のほうは下葉が落ちつくしてがらんどうになり...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...伽藍洞(がらんどう)の痴呆状態に成り果てた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私たちは窓のないがらんどうの部屋へはいって...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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