...休暇になつてからの學校ほど伽籃堂(がらんどう)に寂しいものはない...
石川啄木 「鳥影」
...そのがらんどうの一番奧二階だが...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...中味はがらんどうの陳列品だ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...お尻の下はがらんどうだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それは、中は、がらんどうで、外はすぼまっている、という意味でした...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...果せるかな家内のものは皆新宅へ荷物を方付に行って伽藍堂(がらんどう)の中(うち)に残るは我輩とペンばかりである...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...胸ががらんどうになつて侘びしく...
太宰治 「知らない人」
...屋根裏のがらんどうにぼつねんとしてゐると...
種田山頭火 「行乞記」
...ちょうどわが家の庭そっくりのがらんどうが出来てしまっていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...がらんどうの天井(てんじょう)を支える頑丈な柱の角から現れ...
峠三吉 「原爆詩集」
...二人がかりでいつもがらんどうになっている臺所に火をおこし...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...あたりを伽藍堂(がらんどう)の如く淋(さび)しく見せた...
夏目漱石 「道草」
...その上に腰をかけて編物をしてゐる娘もなく煖爐に坐る黒猫の姿も見えない白いがらんどうの家の中で私は物悲しい夢を見ながら古風な柱時計のほどけて行く錆びたぜんまいの響を聽いた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...がらんどうな家の片隅に...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...がらんどうの空家で...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...がらんどうな貧しい標本がぼつねんと並んでいた私の訪ねた友はこゝにいなかった...
槇村浩 「京都帝国大学(十四行詩)」
...そして私自身その宿屋に別るゝ頃にはそのがらんどうの宿屋に早や十人足らずの客しか殘つてゐなかつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...がらんどうな大きな二階の一室に通され...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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