...三か所に置かれた鉄びんから立つ湯気(ゆげ)で部屋の中は軟(やわ)らかく暖まっていた...
有島武郎 「或る女」
...自分は三か所の水口を検して家に帰った...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...でき過ぎた所が一か所ある...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...前の三か所の餌肉も一緒(しょ)に並(なら)べてあるではないか...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...そこでもし十台飛んで来れば五千か所の火災が突発するであろう...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...所謂主体とか所謂客観とかいう哲学としての哲学の範疇から...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...無媒介な直接態に於けるもの(例えば直観とか所与とか)も...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...一か所、父の家のすぐそばを通り過ぎなければならなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...傷の一か所にすぎぬ者には平生どおり兵器を執(と)って闘わしめ...
中島敦 「李陵」
...いささか所感を述べたが...
新渡戸稲造 「自警録」
...もちろん世界中で私一人しか所有して居ない...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...今度は洞窟の数か所から聞こえた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...引上げられる一二年前に何か所用があつて東京からお訪ねしたのを初めに...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...その御飯が冷めた時魚の大きさに準じて御飯を固く手で握って魚の身を上へ載せそれを竹の皮へ包みますが包むばかりではよく締(しま)りませんからその上を竹の皮の細いので三か所ほど縛って固く締めるほど良いのです...
村井弦斎 「食道楽」
...礼拝堂の内部に怪しむべき点一か所もなく...
夢野久作 「少女地獄」
...摂津(せっつ)そのほか所在の内応も少なくない...
吉川英治 「黒田如水」
...一か所もこれなく...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...結局はかくのごとく一か所に蝟集(いしゅう)してかくのごとき都会を築造した人間の愚に突き当たるであろう...
和辻哲郎 「地異印象記」
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