...彼女のか弱い肉体の中に...
池谷信三郎 「橋」
...そんなことを思ふと、このか弱い、吹けば飛びさうな小菜のひとつびとつに、生命の蘇りとともに滋味を与へることを忘れなかつた「春」の心遣ひがしみじみと感じられないではゐられない...
薄田泣菫 「独楽園」
...今の例で云えば土台即ち卓が固いとか軟いとか或いは又透明即ち光が強いとか弱いとかを規定し得るであろう...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...妻はか弱い身であるけれども...
豊島与志雄 「病室の幻影」
...「あの女」のか弱い身体(からだ)は...
夏目漱石 「行人」
...いたづらな 少年に とらへられて 片足を ひもで 固く 縛られましたため か弱い 足は きづついて しまつたのでした...
新美南吉 「うまれて 來る 雀達」
...お美乃のか弱い聲ももう聞えません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あのか弱いのを納戸(なんど)につれ込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...力があるか弱いか」「ヘェ」「それから江島屋の内輪の様子...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お藤は喪心したように、人形よりも無力に、さるるが儘(まま)に立って居りました、か弱い娘の力で、抵抗したところで何(ど)うなるものでしょう...
野村胡堂 「礫心中」
...僕も何だか弱い気持になつてゐて...
林芙美子 「幸福の彼方」
...何か弱い尻をもっているのにちがいないのさ...
久生十蘭 「金狼」
...あれがほんとうの軍艦だね」日本が強いとか弱いとか...
久生十蘭 「だいこん」
...この場合ひとはただ丈夫なとか弱いとかいう甚だ一般的な判断で満足しているように思われる...
三木清 「人生論ノート」
...か弱い女のことですから...
宮原晃一郎 「竜宮の犬」
...か弱い女を置いて逃去った道雄と...
山本周五郎 「松林蝙也」
...文字にはどこか弱い病影があり墨色もおおかた淡(うす)いといわれている...
吉川英治 「私本太平記」
...何か弱いしりでもおありなのか)坊間(ぼうかん)...
吉川英治 「新書太閤記」
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