...他人が眞正に強いか弱いかを檢査するのは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...健気(けなげ)にもか弱い女の手一つで戦った...
有島武郎 「或る女」
...か弱い足は、するどいナイフでつきさされるようでしたが、いまはそれを感じないほどに、心のきずは、もっともっと痛んでいるのでした...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「人魚の姫」
...か弱い望も絶えたも同様...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...か弱い倭文子さんを殺すのに...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...そんなことを思ふと、このか弱い、吹けば飛びさうな小菜のひとつびとつに、生命の蘇りとともに滋味を与へることを忘れなかつた「春」の心遣ひがしみじみと感じられないではゐられない...
薄田泣菫 「独楽園」
...どうか弱いものと思ってお憐(あわれ)み下さい...
田山花袋 「蒲団」
...いつの世にか弱いものの利を得た時代があろう...
永井荷風 「日和下駄」
...このか弱い病源不明の者に向って...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あの女」のか弱い身体(からだ)は...
夏目漱石 「行人」
...十七僕は男として嫉の強い方か弱い方か自分にもよく解らない...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...後(おく)れ毛(げ)を掻き上げるか弱い手...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三魂(たましひ)の拔けたやうに、呆然(ばうぜん)としてゐる貫兵衞を促(うなが)し、か弱い乍ら、一番氣の確(たし)かなお蔦(つた)を手傳はせて、卯八一人の大働きで、水船から引上げた人間は五人、船頭の三吉と、野幇間(のだいこ)の巴屋(ともゑや)七平は、それつ切り行方不知(ゆくへしれず)になつてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お美乃のか弱い声ももう聞えません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...このか弱い娘に手もなくやり込められてしまつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...か弱い胸をむしばむ慢性の肺結核も悪化した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...私のようなか弱い女性が……」彼女は新車で買った自分のステーションワゴンを運転して帰るんだといって聞かなかった...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...しばしばモリスの模様はか弱いセンティメンタリズムにさえ落ちた...
柳宗悦 「工藝の道」
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