...利根の鉄橋を越えて行くに夏蕎麦(そば)をつくる畑干瓢(かんぴょう)をつくる畑などあれば埼玉や古河のあたりの夏蕎麥のなつみこめやもおほに思はゞ麥わらをしける廣畑瓜の畑葉かげに瓜のこゝたく見ゆるなど口ずさむ...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...干瓢(かんぴょう)の類を買い込んで行ったことは間違いなくわかりましたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして油揚(あぶらげ)の胴を干瓢(かんぴょう)で結(いわ)えた稲荷鮨(いなりずし)の恰好(かっこう)に似たものを...
夏目漱石 「道草」
...苦沙弥先生の如きに至っては只(ただ)干瓢(かんぴょう)の酢味噌(すみそ)を知るのみ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...干瓢(かんぴょう)の酢味噌(すみそ)が天下の士であろうと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...じとじと汁がたれそうなかんぴょうの帯...
林芙美子 「新版 放浪記」
...かんぴょうでもいいから食べたい...
林芙美子 「新版 放浪記」
...それは今から一一〇五年の昔寛平(かんぴょう)四年(892)に僧昌住(しょうじゅう)の作った我国開闢以来最初の辞書『新撰字鏡(しんせんじきょう)』に「※...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...乾物(かんぶつ)では干瓢(かんぴょう)に椎茸(しいたけ)もあります...
村井弦斎 「食道楽」
...お昼の副食物(おかず)に干瓢(かんぴょう)を煮ましょうか...
村井弦斎 「食道楽」
...自分が少し焦付(こげつ)かせたる干瓢(かんぴょう)なんどいずれも美味ならざるはなし...
村井弦斎 「食道楽」
...干瓢(かんぴょう)の焦臭(こげくさ)いのは僕が手伝ったのだ」と例の如く腹帯を弛(ゆる)めてかつ食(くら)いかつ談ず...
村井弦斎 「食道楽」
...福野干瓢(かんぴょう)の産地たる福野潟のごとき...
柳田國男 「地名の研究」
...いくらゆれても平気だッて」斯ンな意味の場面アレバヨシ太沽沖十浬の処に到着したのが十三日夕方毎日せんぎりとかんぴょうを喰ッて...
山中貞雄 「陣中日誌(遺稿)」
...茎のひょろ長い白い干瓢(かんぴょう)の花がゆれている...
横光利一 「夜の靴」
...椎茸(しいたけ)や干瓢(かんぴょう)の記入などを...
吉川英治 「新書太閤記」
...檜細工(ひのきざいく)や干瓢屋(かんぴょうや)の軒さきにまで立ったが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...干瓢(かんぴょう)のように懸け並べた無数の白い布(ぬの)...
吉川英治 「柳生月影抄」
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