...あと一カ月をかろうじて支えるほどに少くなった...
海野十三 「第五氷河期」
...われわれにかろうじてできることは...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...言わばかろうじて平衡を保っている不安定な機械(メカニズム)のどこかに少しのよけいな重量でもかかると...
寺田寅彦 「笑い」
...かろうじて入ったものの...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...うっすりとあるかなきかの眉(まゆ)の下にありあまる肉をかろうじて二三分(ぶ)上下(うえした)に押し分けつつ開きし目のうちいかにも春がすみのかけたるごとく...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そして涙を流すことを欲しないまじめな人のようにかろうじておもむろに言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...かろうじて原稿の話を咄嗟にでっち上げた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...かろうじてビートリスは安全な戸口へもぐりこむことができた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...かろうじて分かった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...ベリントン大佐はかろうじて聞き取れた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...かろうじて大佐は食堂の影に隠れることができたからだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...かろうじて口元を押さえた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...かろうじてやっていってる...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...かろうじて復原の端緒だけを保留していたのである...
柳田國男 「地名の研究」
...かろうじて自由経済にまでたどりつき...
山本周五郎 「季節のない街」
...かろうじて瓦口関(がこうかん)(四川省)にまで落ちのびて行った...
吉川英治 「三国志」
...その次の部屋も、前と同じつくりの二十坪ほどもあろうかと思われる部屋で、豪華な家具や寝台が置かれてあり、その上、度胆(どぎも)を抜かれるほど驚ろいたのは、その部屋に、かろうじて、紗(うすもの)をつけた、或は、それこそ一糸も纏(まと)わぬ全裸な若い少女が二十人ほども、突然の闖入者(ちんにゅうしゃ)に、恐怖の眼を上げながら彳(たたず)んでいるのであった...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...かろうじて堂の全貌を見ることができる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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